その他

女子高生のプログラミング教育に特化した「Waffle」とは?

waffle-education

小学校でのプログラミング教育が必修化し、誰もがプログラミングを学ぶ機会を得られるようになりました。

しかし、国をあげてのIT人材育成が進められるなか、解消すべき課題はまだ残されています。

IT分野におけるジェンダーギャップも残された課題の一つでしょう。

平等な教育機会の提供が進む一方で、社会には「IT分野は男性が得意とするもの」といったイメージが根強く残っています。

今回は、そんなIT分野のジェンダーギャップ解消に取り組むために設立された一般社団法人「Waffle」の活動についてご紹介します。

Waffleとは

Waffleとは、2019年にIT分野のジェンダーギャップを解消するために2人の女性によって設立された一般社団法人です。

主に、女子中高生に向けたIT教育・プログラミング教育の機会を提供する活動を行っています。

設立者のひとりである、田中沙弥果さんはForbes JAPAN誌「世界を変える30歳未満30人」を受賞した、世界が注目する女性です。

田中沙弥果さんは、Waffle設立以前より文部科学省後援事業に従事し、全国の教育委員会と連携して学校の先生がプログラミング教育を授業で実施するための教員養成プログラムの普及に努めてきました。

田中沙弥果さんとともにWaffle設立に携わった斎藤明日美さんも、Forbes JAPAN誌「世界を変える30歳未満30人」を受賞しています。

斎藤明日美さんは、アリゾナ大学卒業後に外資系企業やスタートアップ企業を経て、Waffleの設立に至りました。

IT・プログラミング教育におけるジェンダーギャップの現状

冒頭でも述べた通り、日本は未だ理系・IT分野のジェンダーギャップを抱えています。

2017年にIPA(情報処理推進機構)が行った調査では「7割強のIT企業でIT人材の女性の割合は20%以下」という結果が出ています。

また、大学での理工系分野に進学する女子割合も低く、女性研究者の割合も諸外国と比較すると低い水準にあることがわかっています。

これは、女子の理数系科目の学力不足だけが原因ではなく、周囲の女子の進学動向や家庭の意向、身近にロールモデルとなる人物がいないことなども大きく影響していると考えられています。

参考:IT人材白書2017

Waffleが目指すプログラミング教育

日本が抱えるIT分野のジェンダーギャップの原因について、Waffleは「社会的な固定観念や女性の自信の低さ、またメンターシップやサポートの少なさ、そしてハラスメントなど(※)」と捉えています。

※引用:Why we are doing  私たちが取り組む理由

そして、このジェンダーギャップを解消するため、Waffeは女性のIT人材育成を目指しています。

ジェンダーギャップの解消により女性のIT人材が増えることで、

  • 80万人も不足しているといわれるIT人材不足の解消
  • GDPの上昇
  • 女性の高収入な職への就業機会の増加

など、格差解消のその先のよりよい社会を目指しているのです。

なかでも、Waffleが注力しているのが「女子中高生向けのプログラミング教育」です。

女子中高生がプログラミングを学べる機会の提供、教員側の女性IT人材育成の取り組みを進めてきました。

次章では、Waffleのプログラミング教育における取り組みをご紹介します。

Waffleのプログラミング教育における取り組み

Waffleでは、女性へのプログラミング教育機会の提供として大きく3つの活動を行っています。

1つ目は、女性のためのウェブサイト開発のスキルとプログラミング学習コミュニティをもつオンライン・プログラム「Waffle Camp」の提供、2つ目は、小学校の女性教員向けにつくられたプログラム「SteP(ステップ)」、そして3つ目は、女子中高生向けの国際的なアプリコンテスト「Technovation Girls」の日本公式アンバサダーとしての活動です。

 

Waffle Camp

Waffle Campは女子中高生向けに作られた初心者のためのウェブサイト制作プログラムです。

HTML/CSSとJavaScriptの2つのコースから選ぶことができ、HTML/CSSコースでは、事前課題で作ってみたいサイトを考え、受講者のアイディアを元にWebサイトを制作していきます。

JavaScriptでは、スライドショーや時計など用意した題材の中から、受講者が作りたいものを選んでオリジナルのWebサイトを制作します。

どちらのコースも、受講中は生徒2人につきメンターが1人が担当となり、受講者の疑問をその場ですぐに解消できるので、ウェブサイト制作の初心者にも安心です。

また、受講1週間後に1時間のメンタリング、受講後2週間はチャットでいつでも質問ができるアフターサポートも備えています。

受講日の1週間前に事前課題を受け取り、受講日当日はZoomを使って13:00〜18:00のプログラムに参加します。

受講当日は、基礎講座から制作物の発表、メンターからのフィードバックなど多くのコンテンツが用意されています。

女性エンジニアによるトークと受講者からの質疑応答を行うキャリアセッションも受講者からの評価が高いコンテンツのひとつです。

実際にIT分野で活躍する女性を身近に感じたり、受講者の将来の選択肢を広げたりする良い機会となっているのではないでしょうか。

参考:Waffle Camp

 

プログラミング教育の女性教員養成プログラム「SteP(ステップ)」

「SteP(ステップ)」とは、特定非営利活動法人「みんなのコード」とWaffleが協働で取り組む、小学校の女性教員向けに特化したプログラミング教育の教員養成プログラムです。

プログラミング教育において、小学校の女性教員の積極的な参画促進を目指しています。

取り組みの背景には「小学校教員のうち約6割が女性にも関わらず、教育現場でのプログラミング教育を担当するのは男性教員が多い」というジェンダーバランスの不均衡がありました。

特定非営利活動法人「みんなのコード」が実施した、小学校教員向けのプログラミング教育に関する研修に参加する教員の8割が男性だったのです。

そこで、学校教育において「ITや理系は男性が選択するもの」といったイメージを解消するために女性教員に特化したプログラムがつくられました。

StePでは、インプットのための2日間の研修を経て、参加者が所属校にて授業の実践を行います。

さらに実践内容をプログラム参加者同士で共有します。

プログラミング教育の知識の習得に加え、専門家からのジェンダーステレオタイプに関するレクチャーを受けられることや、全国の教員とのネットワークを構築できることも特徴です。

参考:国内初、小学校の女性教員向けにプログラミング教育の養成プログラムを開始 〜ITや理系を目指す女性を増やすため、小学校段階からの意識改革を目指す〜

 

国際的なアプリコンテスト「Technovation Girls」

Waffleは、アメリカのNPO「Technovation(テクノベーション)」が主催する女子中高生を対象とした社会課題解決のためのコンペティション「Technovation Girls(テクノベーション・ガールズ)」の日本リージョン公式アンバサダーとして活動しています。

「Technovation Girls(テクノベーション・ガールズ)」とは、貧困、気候変動、コロナ禍における生活など社会課題を解決するアイディアをアプリにするコンペです。

世界中から約2000チームが参加し、そのアイデアを競います。

日本では、中学2年生以上18歳未満の女性及び、ジェンダーマイノリティの方に参加資格があります。

参加者は無料で起業家講座とアプリ開発講座を​受講することができるので、ビジネスやプログラミングが初めての方でも参加できるのが特徴です。

参考:Technovation Girls

子供たちにジェンダーギャップのないプログラミング教育を

IT分野、プログラミング教育においてのジェンダーギャップに着目し、Waffleのさまざまな取り組みをご紹介しました。

子供たちのよりよい未来のために、大人が取り組むべき社会課題はまだ多く残されています。

ジェンダーにかかわらず子供自身がプログラミングを学びたいと思ったときに、学びをスタートできる環境であるとよいのではないでしょうか。

Awesome Ars Academia(オウサムアルスアカデミア)は、多様な国籍のスタッフとともに英語環境でプログラミングを学べるオンラインスクールです。

中学生以上向けコースでは、最大10名の受講生に対して外国人講師1名、日本人TA(ティーチングアシスト)1名を配置し、講師2名体制での運営となります。

受講期間は3ヶ月〜/6ヶ月を選択でき、学ぶ内容もアプリ開発コースやPythonプログラミングコース、AIプログラミングコース、Webデザインコースなど多岐に渡ります。

受講者のキャリアを見据え、身につけたいスキルに合った講座を組み合わせて受講いただくことができます。

そのほか、小学生向けから中高生向けのものまで幅広いコースをご用意しておりますので、ご興味がございましたらぜひ資料請求くださいませ。

Awesome Ars Academia(オウサムアルスアカデミア)は、小学生から高校生に向けて、英語でプログラミングを学べるオンライン講座を提供しています。

オンライン学校説明会を毎月開催していますので、ご興味がありましたらぜひお申し込みください。