プログラミング教育導入の背景とは?
小学校からのプログラミング教育必修化の背景には、主に次の2つの要因があります。
- 第4次産業革命といわれるIT技術の進歩
- IT人材の不足
ではそれぞれについて詳しくご紹介していきます。
第4次産業革命と言われるIT技術の進歩
現在、私たちの周りには当然のようにコンピュータがあり、毎日その恩恵を受けています。
IT技術の向上によって、私たちにも日常生活の中で身の回りのICT機器を使いこなすための知識が必要になってきたのです。
しかし、ただコンピュータの使い方を知るだけでは、便利な「魔法の箱」でしかありません。
今後は、コンピュータがどのように動いているのかという仕組みを知り、より主体的にコンピュータを活用する姿勢が重要になってきます。
プログラミング教育必修化の背景には、これからさらに加速していくであろうテクノロジーの進化や、社会構造の劇的な変化に対応できる人材を、一人でも多く育成しようという思いがあるのです。
IT人材の不足
これだけICT機器が普及していながら、日本のIT人材は不足しているという問題があります。
世界的にIT化が進む中、日本の経済産業省の発表では、2020年に約37万人、2030年には約79万人ものIT人材が不足するのではないか、といわれています。
さらに、IT化のスピードは今後加速度を増し、日本のIT人材不足問題は予想よりもはるかに深刻になる可能性もあります。
そこで必要となっているのが、プログラミング教育です。
これからの社会の中で、AIを筆頭とするIT技術は、技術力のある有能な少数が駆使するものではなく、社会に出る全ての人たちが自然に関われるものでなくてはいけません。
日本人が日本語を学ぶように、またグローバル社会に向けて日本人も英語を学ぶ必要があるように、これからは全員がIT知識、プログラミングを学ぶ必要があるのです。
さらに、日本のIT技術の底上げをするためにも、プログラミング教育は不可欠です。
プログラミング教育の目的・ねらいとは?
プログラミング教育のねらいは、「プログラミング的思考を育成し、コンピュータを課題解決に活用できるようにすること」です。
プログラミング教育は、かけ算の九九を暗記させるように、コンピューターを動かすためのプログラムを授業時間を設けて覚えさせる、という直接的なものではありません。
ある結果に対して、頭の中でどうしてそうなるのかを論理的に考え、答えを自分で導き出すような学習法に切り替えて教育を行います。
プログラミング教育は、まさにこのプログラミング的思考、論理的思考を鍛え、物事を柔軟に考えられる人材を増やすことをねらいとしているのです。
また、その延長線上で、出てくる課題に対して、コンピュータを活用しながら解決していける人材も育成しようとしています。
テクノロジーの進化で使える技術が増えている今、それらを時と場合によって使い分け、より効率的に問題を解決していく人材が求められています。
ほかにも、プログラミング教育必修化には、多くの人がITの世界が特別なものではなく、自然に入り込めるものとして捉えられるようにする、といった目的も含まれています。
プログラミング的思考とは
先ほど触れた、プログラミング的思考とは何でしょうか。
文部科学省の小学校プログラミング教育の概要によると、「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」と定義されています。
端的にいうと、「コンピュータに自分の意図を伝えるために、どのような命令をどんな順番で出せばいいか考える力」です。
物事を漠然と捉えるのではなく、順序立てて、細かく分析し、頭の中で構成する力こそがプログラミング的思考なのです。
プログラミング的思考の重要性
プログラミング的思考が重要視されているのには、大きく二つの理由があります。
- IT技術を駆使した問題解決にはプログラミング的思考が必須
- プログラミング的思考は、問題解決能力、生産性の向上に直結する
それでは、それぞれについてみていきましょう。
IT技術を駆使した問題解決にはプログラミング的思考が必須
プログラミング的思考はなぜ重要視されているのでしょう。
まず一つ目の理由は、IT技術を駆使して問題解決しようと思ったときに、必ずプログラミング的思考が必要になるからです。
いくらコンピュータが便利でも、自分の意図をコンピュータに伝えられなれば、せっかく進化しているIT技術を活用できませんし、効率的な問題解決はできないでしょう。
プログラミング的思考を身に付けることで、コンピュータに自分の意図を正確に伝えることができます。
具体例をみてみましょう。
文部科学省「小学校プログラミング教育の手引」には、「コンピュータに正三角形をかかせる」という事例があります。
この場合、ただ「正三角形をかけ」ではコンピュータには伝わりません。
正三角形の性質を理解した上で、コンピュータに伝わるように、命令を下記のようにいくつかのステップに分ける必要があります。
- ペンをおろす
- 長さ100進む
- 左に120度曲がる
- 長さ100進む
このように、コンピュータが理解できるように自分の意図を伝えるには、命令を段階的に考え、何をどんな順番で命令するかを考える必要があります。
まさしくこの思考こそ、プログラミング的思考です。
IT技術を駆使する際には、この思考がとても重要になります。
プログラミング的思考は問題解決能力、生産性の向上に直結する
二つ目の理由としては、プログラミング的思考が問題解決能力、生産性の向上に直結する点が挙げられます。
プログラミング的思考を持っている人といない人とでは、生産性に大きな違いが出るといわれています。
これからは、コンピュータに関わる人はもちろんですが、普段関わる機会が少ない人にとっても、プログラミング的思考は必要になるのです。
英語を学んだからといって、通訳者になる必要がないのと同じように、プログラミング教育を受けたからといって、必ずしもエンジニアやプログラマーになる必要はありません。
社会構造の変化が著しい今、AIなどのテクノロジーによって産業の形も変化し、業務効率性や生産性は飛躍的に向上しています。
そんな変化の激しい中で生きていかなくてはいけないからこそ、思考のアップデートが欠かせないのです。
コードを書かない?プログラミング教育って何するの?
プログラムとはコンピューターを動かすために人間が与える指示であり、専門の知識(プログラミング言語など)が必要になります。
しかし、プログラミング教育では、そういったプログラミング言語を学ぶための時間を特別に設けることはありません。
よく「プログラミング言語やコーディングなどのプログラミング技術を学ぶのでは?」と誤解されがちですが、そうではなく、算数や理科、総合といった教科の中でプログラミング的思考を育成します。
また、文部科学省「小学校プログラミング教育の概要」には「授業を通してプログラミングを学ぶ場合、教科等の学びを優先する。」と示されており、教科の学びをおろそかにしないことも留意しています。
このように、これまでの教科の中にプログラミング教育を盛り込むことで、プログラムを実行するときのような論理的思考が自然とできるように育成していくのです。
そして、これらは子供たちからIT技術に対する苦手意識をなくすことにつながり、ゆくゆくは今後の社会に対応できる人材を増やします。
まとめ
現在の子供たちが生きるこれからの時代は、IT技術を駆使した問題解決が当たり前の社会になります。
将来どんな職業に就いたとしても、IT技術を使わないということはないでしょう。
さらに、技術の発展がものすごいスピードで進んでいくことも予想されます。
このような変化の激しい今の時代を生き抜くために、プログラミング的思考は必要不可欠です。
ぜひお子さんをお持ちの方は、ご家庭でも子供のプログラミング的思考育成のサポートを行ってあげてくださいね。
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