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PBL(課題解決型学習)とは?教育方法・メリット・国内外事例まで

昨今、文部科学省が主体となりアクティブラーニングを推進し、様々な教育方法が取り入れられるようになりました。

そんな中で、今注目されている課題解決型学習(PBL)についてご存じでしょうか。

課題解決型学習(PBL)とは、学習者自らが能動的に学ぶ力を身につけ、問題解決能力を養うことができ、これからの時代を生きていく上で必要不可欠なスキルを向上することができます。

今回は、この課題解決型学習(PBL)の特徴や重要視されるようになった背景やPBLにおける2種類の教育方法、6つの実践ステップ、PBLで得られる4つの効果等について詳しくご紹介します。

日本における課題解決型学習(PBL)の事例も掲載してありますので、ぜひ最後までご覧ください。

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課題解決型学習(PBL)とは?

課題解決型学習(PBL)とは、「Project-based learning」の頭文字をとったもので、少人数のグループに分かれて現代社会で起こっている課題に取り組む教育方法です。

まず課題を見つけ、その課題を解決するための自学自習を行います。

その後、グループ内でディスカッションを行ったり、さらに調査を行ったりして課題解決の糸口を見つけ出し、最後にまとめとして発表をするという一連の流れがあります。

この過程で得られる知識や経験から育まれる能力は、実社会で即必要とされる課題解決能力やプレゼンテーション能力、論理的思考能力等などの実践的な力です。

そのため、学校や大学といった教育機関だけでなく、企業でも課題解決型学習(PBL)を実施する場所が増えています。

課題解決型学習(PBL)の3つの特徴

課題解決型学習(PBL)には、3つの大きな特徴があります。

この教育方法における3つの特徴について、ご紹介します。

 

①グループで行う

まず1つ目の特徴は「グループで行う」ということです。

学習に取り組むための少人数のグループを作りますが、4人程度のこともあれば8人程度のグループを作ることもあり、その時々の状況に応じた人数編成となります。

グループで一丸となって一つの課題に対して解決するという経験ができるため、発信力や表現力、協働力などを向上することができます。

 

②課題に基づく学習

2つ目の特徴は、「課題に基づく学習」を行うことです。

課題はその時々の大まかなテーマや実社会の現状によって異なりますが、具体的な実践場面が課題として取り上げられることが多くあります。

そのため、リアリティを感じながら学習することができ、学習者自身が自ずと学習にも力を入れやすくなるのです。

さらに、その課題解決のための糸口を見つけることができると実際の場面にも活かしやすくなるため、学習の成果を学習者自身が感じやすくなり、モチベーションの維持や向上にも繋がります。

 

③自発的な学習

3つ目の特徴である「自発的な学習」とは、課題解決に向けた能動的な学習が重要となる点です。

課題を解決するためには資料や文献を集めて必要な知識を増やすだけでなく、それらをまとめて人に伝える準備も行う必要があります。

これらは受け身の態勢では決して取り組めないため、必然的に自発的な学習が求められます。

これは課題解決型学習(PBL)における、大きな特徴の1つです。

課題解決型学習(PBL)が重要視されている背景

では、なぜ課題解決型学習(PBL)が注目されるようになったのでしょうか。

それには現代ならではの背景があります。

以下、ご紹介します。

 

AIの登場

これからの時代、人間が担ってきた事務作業や受付業務などといった単純な業務はAIが代替してくれるといわれています。

そんな状況を生き抜くためには、AIでは生み出せない人間ならではの思考力や判断力、そして想像力が必要とされます。

そのためには、課題に対して自ら考え・発信する力を育むのはもちろん、自分の意見を人に伝える表現力も欠かせないものになるのです。

課題解決型学習(PBL)は、人間ならではの豊かな力を養える学習方法なのです。

 

国際化

国内にとどまらず幅広い世界の方々と共に仕事をしたり、コミュニケーションをとったりする機会は、今やもう日常的なこととなっています。

人それぞれ異なる価値観や感覚を持っていますが、国をまたぐとなると文化的な習慣から様々な知識・背景を持った人たちと交流することになります。

このような人たちと関わっていくためには、「自らの考えを誰にでも分かるようにまとめる力」そして「どんな相手にもきちんと自分の意見を伝えられる力」が必要となります。

これら2つの「AIの登場」と「国際化」に対応すべく国が推進している教育方法の1つでもあるのが、課題解決型学習(PBL)なのです。

課題解決型学習(PBL)の2種類の教育方法

実践的な課題をもとに学習を進めていく課題解決型学習(PBL)ですが、大きく分けて「チュートリアル型」と「実践体験型」の2種類があります。

それぞれの方法に特徴やメリットがありますので、ご紹介します。

 

チュートリアル型

まず1つ目の「チュートリアル型」とは、ある特定の課題に対して机上で学習を進めていく方法です。

まず最初に、課題を解決するための仮説を立て、どのように学習を進めていくかを決めます。

そして、それぞれが自学自習してきた内容をグループ内で発表したりディスカッションを行ったり、課題解決を行うための方法を導き出す学習方法です。

また、「チュートリアル型」には「チューター」と呼ばれる役職の人がおり、この「チューター」は主に教員が担います。

「チューター」は助言をするだけの立ち位置であるため、実際の学習はすべて学習者が行っていきます。

 

チュートリアル型のメリット

チュートリアル型を取り入れる最大のメリットは、実施が容易な点です。

チューターの意見を参考に、資料を中心とした知識の獲得のもとグループで学習を進めていくため、室内のみで行うこともできるのです。

そして自発的な学習はもちろん、グループでのディスカッションを通して自分の考えを発表し、様々な人の考えに触れられるというメリットがあります。

このように、比較的容易に実施がしやすい「チュートリアル型」の課題解決型学習(PBL)は、様々な場所で多く取り入れられています。

 

実践体験型

「実践体験型」とは、地域や民間企業といった現場に入り込み、実際の社会における課題解決を目指す方法です。

具体的かつ現実的な課題を持つことで、学習に対する意欲をより高めることができ、さらに現場に足を運ぶことで学んだことを定着させやすくなります。

また、現場レベルの高度な知識を身につけ、実際にそれらの知識がどのように現場で役立つのかも体験できるため、記憶にも残りやすくなります。

しかし、学外や企業外との連携が求められるため、事前準備をはじめとする様々な打ち合わせが必要となり、時間やコストがかかってしまうというデメリットもあります。

そのため実際に行うには、ハードルが高くなってしまっているのが現状です。

 

実践体験型のメリット

課題解決型学習(PBL)における「実践体験型」では、実際に現場と連動しながら学習が行えるため、実践的で高い学習効果を得ることができます。

また、地域や民間企業をはじめとする第三者と連携を行うことで、今後より充実した学習環境を整えることも可能になります。

机上の討論や学習だけでは学ぶことができない、実践的な知識をはじめ、責任感や統率力等といった精神的な面の学びも多くできます。

課題解決型学習(PBL)の6つの実践ステップ

課題解決型学習(PBL)を行っていくには、中心となる6つの実践ステップが必要です。

それぞれのステップと共に具体的なステップ内容をご紹介します。

 

①課題を決める

まずはじめに取り組むのは「課題を決める」ことです。

あらかじめ決められた課題を提示されることもありますが、自分たちで課題となるものを見つけ出すところから始める場合もあります。

「チュートリアル型」を取り入れるのであれば、文章や映像、画像などを使って課題を決めます。

一方「実践体験型」では、想定される課題を事前に考案した上で現場へ足を運ぶ場合と、実際に現場へ足を運んでから課題を見つける場合と、その時々の状況や現場に合わせて具体的な課題を見つけ決めていきます。

 

②解決策の考案

課題が決まった後に、その課題を解決するための策を考えます。

課題解決のために必要となる知識はどのようなものなのか、その知識をどのように課題へ活かすかなど個々で様々な手法について検討していきます。

そして、自身の考えを整理し、グループ内で発表できるようにまとめます。

 

③グループ討論

それぞれが考えてきた様々な意見をグループで出し合い、ディスカッションを行います。

分からないことは分からないと発言すること、安易に他者の意見に同意する必要はないことなど、共通認識しておきたい部分は事前に伝えておきます。

助言を行うチューターも参加し、何をどのように調べていき、課題を解決するかの道筋を明確にしていきます。

 

④自主学習

課題をどのように解決へ導くかの道筋が立ったら、次は自主的な学習に入ります。

まずはありとあらゆる角度から課題を検証し、どのような知識が必要とされるのかを見つけ、それに関する情報を収集していきます。

記録を取ることが多い段階で、どのような文献をもとに得た情報なのかなど、その文献のリストや得られたデータの詳細についてまとめていきます。

 

⑤知識を課題へ応用する

自主学習で課題解決へと繋がる必要な知識を得た後、その知識を課題へ応用させていきます。

どの知識をどう使ったら課題解決に結びつくのかを導き出し、具体的な課題解決方法を見つけ出します。

そして考えがまとまったら、他のグループの人たちに伝えるために、得られた知識と自分の考えを整理していきます。

 

⑥まとめ

課題解決の糸口を見つけたら、最後にまとめの段階です。

得られた知識と自身の考えをレポートやスライドに書き起こし、誰に対しても分かりやすく説明できるようにまとめます。

課題解決型学習(PBL)の最終段階として、プレゼンテーションやデモンストレーションといった方法で発表するパターンが多くなっており、場合によっては公の場所で発表をすることもあります。

課題解決型学習(PBL)で得られる4つの効果

課題解決型学習(PBL)では、様々な実践的能力が養えるとされていますが、主に4つの効果が得られると挙げられています。

こちらではこの4つの効果について、具体的にご紹介します。

 

①自主学習力の向上

課題解決型学習(PBL)では、課題を解決するために必要となる知識や情報を自ら見つけ出す過程があります。

最初はどのように学習をしたら良いか分からない場合でも、課題解決というゴールがあるため、チューターも助言がしやすく、学習者自身が自ずと学習できるようになる導きが可能です。

つまり、レベルがそれぞれ違った学習者でも、自然と能動的に学習を進める力を身につけることができるのです。

 

②表現力・コミュニケーション能力の向上

自主的な学習の後にはグループで行われるディスカッションがあるため、自分の意見や考えを適切に表現する力を養うことができます。

また、グループでの対話やディスカッション通して自分の意見を発表したり、他者の意見を聞いたりする場面も多いため、コミュニケーション能力の向上も望めます。

課題解決型学習(PBL)では、他者と関わりながら学習を進めていくため、チームとしての団結力も学ぶことができます。

 

③情報リテラシーの向上

課題解決のためには、膨大な情報量の中から必要な知識を抽出する必要があるため、情報リテラシーの向上も見込めます。

また、自主的に集めた情報の中から、正しい情報と間違った情報とを見極める力も養われます。

そのため、課題解決型(PBL)を通して情報との付き合い方や、さらにその情報を目的のために選定する力を身につくことができます。

 

④知識の定着・増加、応用力の向上

自らの意思で課題解決のために得た知識は、自ずと深いものとなっており、頭に長く残るため、得た知識が定着かつ増加させやすいと言われています。

さらにその知識を課題解決へ向けて応用させていく力も得られるため、知識を応用する力も向上します。

自主的に学習する時間が多い課題解決型学習(PBL)では、より身となる知識を身につけられるのです。

課題解決型学習(PBL)とSBL(科目進行型学習)の違い

課題解決型学習(PBL)とは異なる教育方法の一つが、SBL(科目進行型学習)です。

SBL(科目進行型学習)は、いわゆる従来の教育方法である暗記型の学習スタイルで、基礎から応用へと順番に進んでいき、導き出される1つの回答を目指して取り組む学習方法です。

基本的に1人で問題から答えまでを導き出し、板書で学習を進めます。

一方、課題解決型学習(PBL)では、まず始めに課題が出され、その課題を解決するために仮説や検証を繰り返し、1人で自主学習する段階の後、グループでディスカッションを行い、最後にまとめを行う学習方法です。

このように課題解決型学習(PBL)とSBL(科目進行型学習)とでは、目的となる最終地点や学習過程で身につけられる能力が大きく異なるのです。

課題解決型学習(PBL)の方が、学習者がより能動的に学習へ取り組める仕組みとなっているため、モチベーションも自然と維持しやすくなるので、主体的な学習をより促したい場合やコミュニケーション力を育ませたい場合は、課題解決型学習(PBL)の方が適しているのです。

課題解決型学習(PBL)の国内事例

課題解決型学習(PBL)は、国内でもだんだんと導入されていますが、実際どのように活用されているのでしょうか。

日本で実際に行われている課題解決型学習(PBL)の事例を3つご紹介します。

 

国際教養大学で行われている「AIU-PBL」

秋田県にある国際教養大学で行われている課題解決型学習(PBL)は、「AIU-PBL」として3つの特徴を持っています。

  1. 留学生とのグループ・プロジェクト
    PBLのプロジェクトを留学生との混成チームで行い、バックグラウンドの異なる仲間と学習を進めていきます。
  2. 日米で共通する課題に取り組む
    国が違えど地域が抱える課題には共通するものがあることから、多様な出来事や背景が複雑に絡み合っている現実を読み解きます。
  3. 「地域」
    地域でのフィールドリサーチを行い、地域住民とのコミュニケーションをとります。

このような特徴を持つ「AIU-PBL」には、留学とセットとなっているPBLと学内のみで実施するPBLの2パターンがあります。

地域環境史、防災、高齢化社会、移民、小学校英語、民俗芸能、ツーリズム、集落活性化と8つのトピックがあり、自分が学んだ成果を地域へ還元できるという自己成長と地域活性化が実感できる内容となっています。

 

N高等学校でのPBL

N高等学校では、実社会を題材に課題解決型学習(PBL)が実施されており、1~2ヵ月の期間ほぼ毎日100分の授業が行われています。

様々なプロジェクトが実施されており、標準的な学生はα(アルファ)の授業、やりたいことが明確かつ自走が可能な学生はβ(ベータ)の授業と、レベルによって展開される授業が異なります。

省庁や日本テレビ放送網株式会社と行った「省庁ドラマ教材制作プロジェクト」や、アドビシステムズ株式会社と行った「クールジャパン冊子プロジェクト」、株式会社SCRAPと行った「リアル脱出ゲーム制作プロジェクト」など実社会と連動したハイレベルな課題解決型学習(PBL)が実践されています。

 

専修大学での「キャリアデザインPBLプログラム」

専修大学にあるキャリアデザインセンターでは、課題解決型学習(PBL)を取り入れた「キャリアデザインPBLプログラム」が実施されています。

「課題解決型インターンシップ」は、チームを組んだ学生達が地域の企業や団体等が抱える課題に取り組み、解決策を提案していくもので、授業で学んだ知識を実践の場面で活かすことができます。

社会人基礎力と言われる「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」を学生のうちにきちんと身につけることができる課題解決型学習(PBL)となっています。

 
PBLの国内事例について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
大学でのPBL(課題解決型学習)実例についてご紹介!

課題解決型学習(PBL)の課題

優れた学習方法である課題解決型学習(PBL)ですが、いくつかの課題もあります。

 

マンパワーが必要

「チュートリアル型」を実施する場合、チューターとなる人材の力量によって学習の質に差が出るため人材の確保が重要です。

また、課題解決型学習(PBL)をきちんと理解したチューターでなければ、適切なチューター役が行えないため、自主的な学習を促すことが難しくなってしまう場合もあります。

 

学習効果の予測が困難

古典的な教育方法であるSBL(科目進行型学習)とは異なり、学習者へプレッシャーをかけないため、均質の学習効果が把握しづらいという点があります。

また、画一的に点数化することもないため、課題解決型学習(PBL)を行う前と後とで客観的な評価をつけることも難しくなっています。

 

課題や学習者によって得られる効果が異なる

学習者がもともと持っている背景や知識に関係なく課題が与えられることが多いため、学習者が課題解決型学習(PBL)を通して得る知識や学習効果がどの程度のものになるのかを把握することが困難です。

そのため、課題や学習者によってはあまり深い学びが出来ない場合もあります。

まとめ

今回は、これからの時代を生きていく中で欠かすことのできない能力を育める課題解決型学習(PBL)についてご紹介しました。

大きく分けてチュートリアル型と実践体験型と2タイプありますが、どちらの方式にしても様々な課題に対して多角的かつ実践的に取り組むことができ、自主学習力や表現力、さらにはコミュニケーション能力と人間ならではの力を養うことができます。

アクティブラーニングの1つとして注目を集める課題解決型学習(PBL)は、これから益々重宝され、活用される場面が増えていくでしょう。

 


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