幼くして海外生活を長く営んできた帰国子女の人にとって、海外生活を終え日本に帰国をすると、環境の変化に驚くこともしばしば。
特に日本では第一言語「日本語」が町中飛び交っています。
どんなに長い海外生活を送ってきた帰国子女たちも日常生活で英語を使わなければ忘れることでしょう。
今回は、英語を忘れる前に、身につけた英語力を日本で維持する方法をご紹介していきます。
13つの方法をご紹介するので、ご自身や、お子さんに合った方法を探してみてくださいね!
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帰国子女の英語力を日本で維持する・伸ばす方法13選
日本人が入学できるインターナショナルスクールに通う
親御さんの中には、帰国後も日本の学校ではなく、「インターナショナルスクール」に通わせたいと思う方も多いのではないでしょうか。
一昔前は「インターナショナルスクール」というと、日本に在住している外国人が通う学校というイメージがあるかもしれませんが、最近は帰国子女のために日本人が入学できるインターナショナルスクールが増えてきています。
「インターナショナルスクール」に通う最大のメリットは英語を習得できる環境にあることです。授業はもちろんネイティブスピーカーの教師による授業が行われます。
そのほかにも「インターナショナルスクール」には世界各国のさまざまな国出身の子供たちが集まります。日本にいながら世界中の友達を作ることができ、文化や価値観の違いに触れることができるため、小さいうちから視野が広がります。
難点は、「インターナショナルスクール」を卒業しても日本の義務教育を受けたという卒業資格を得ることができないため、中学への編入や大学への入学が基本的にはできません。
日本の大学の入学試験を受けるには「高等学校卒業程度認定試験」を受ける必要があります。
国際バカロレア認定校に通う
最近日本でも注目されている「国際バカロレア」。
日本でも「国際バカロレア」を導入する学校が増えてきており、その存在がどんどん身近になっています。
そもそも「国際バカロレア」(International Baccalaureate)とは、世界各国で通用する資格です。よく英語の頭文字を取って「IB」といわれています。
「国際バカロレア」の特徴は大きく2点あります。
1つ目は「国際バカロレア」を取得すると、海外の多くの大学に入学志願できるようになります。
現在世界では2万校以上の大学が国際バカロレア機構の資格を入学条件に定めています。
2つ目は、世界各国の入学志願ができるだけではなく、1つの教育プログラムになっているということです。
プログラムの内容は、世界で幅広く活躍できるための学力や知識、思考力を身につけるためのプログラムの内容になっています。
日本の認定校は2020年現在、150校あります。しかも東京や大阪などの大都市だけではなく、日本全国に「国際バカロレア」を学べる学校があるのです。
日本にいながら、「国際バカロレア」のプログラムを受け資格を取得し、その後は海外の有名大学へ進学するということも可能なのです。
プログラムを学び、世界で活躍できる力を身につけながら、海外の大学入学に志願できるという点で、非常に魅力的な資格ですね。
国際バカロレアについて詳しく知りたい方はこちら。
国際バカロレア(IB)とは?認定校・課題・メリットまとめ
英語教室、帰国子女受け入れ校の英語教室に通う
ネイティブ並みの英語力を帰国しても伸ばしたいと感じる方がほとんどだと思います。
しかし、日本の学校での英語教育を通じて伸ばしていくことは現実、期待はできません。
帰国子女受け入れ校の英会話教室の中に、帰国子女向けのレベルの高いクラスが設けられています。
例えば大阪府、千里国際学園が初めて開設した「土曜学校」ではカリキュラムのしっかりしたイマージョン形式の英語クラスを、小学生を対象に年間30回、土曜日ほぼ終日、提供をしています。
同様なプログラムは立命館宇治中学高校、同志社国際中学高校、広尾学園でも開かれています。
イマージョン教育について詳しくはこちら。
イマージョン教育とは?メリット・デメリットを丁寧に解説!
オンライン英会話を利用する
最近は色々なカテゴリーでオンライン化が進んでいます。
オンライン英会話のメリットは何といっても自分の隙間時間を上手く利用できる点です。
もちろんパソコン・スマートフォン1つでどんな場所からでも接続できます。
意外と忙しい学生生活の中で、隙間時間を有効活用できるのは嬉しいですよね。
また、オンライン英会話は、オフラインの英会話教室に比べ、価格がそこまで高くないというメリットもあります。
英語学習は続けることが一番大事。
無理のない範囲で継続するのに、オンライン英会話はぴったりなツールです。
英語家庭教師をつける
今時家庭教師?と思う方も多いかもしれませんがメリットもたくさんあります!
特に、小さなお子様は集中力が短いので対面でのやり取りは効果抜群!
主なメリットは下記3つです。
- 自分のペース、性格、能力に合わせて学べる
- 先生が自宅に訪問してくれるので通学の手間が省ける
- 兄弟で一緒に習えて先生との距離も近く子供が心を開きやすい
自分のペースを乱したくないという方には、英語家庭教師はとても効率的な勉強方法です。
英語学童(アフタースクール)に通う
放課後、空いた時間を利用し英語を学ばせるのも良いでしょう。
最近、子供の面倒を見てくれる傍ら、英語を学ぶことができるのが英語学童です。
通常の学童と英会話学習がセットになったと考えればわかりやすいでしょう。
もちろん英会話学習も本格的です。
英語学童ではネイティブ・バイリンガルの先生たちと一緒に、放課後の数時間をともにすることで、実際に生活で使用できる英語力を育てます。
もちろん、全てのプログラムにおいて使われるのは英語です。
まるで放課後だけ留学している環境を作ることで、「話す・聞く・読む・書く」能力を総合的に伸ばします。
学童に子供を預けつつ、英語の勉強までさせられるので、親御さんにとって一石二鳥です。
外国語保持教室に通う
「外国語保持教室」は帰国子女が海外で身につけた語学力を保持していくことを目的に、海外子女教育振興財団によって、1974年に日本初の試みとして開設されました。
教室の特徴は受講生がリラックスして楽しめる雰囲気と、読み書きを中心とした授業内容を特色としています。
教育振興財団なので、通常の英会話教室よりは安く受講できるのも外国語保持教室に通う魅力です。
英語補習校に通う
アメリカの現地校の英語や社会の学習内容を、レギュラークラスと同じレベルで学ぶプログラムです。
イメージとしては海外在住の日本人向け補習校の逆バージョンで、英語の補習校です。
言葉の学習に留まらず考える力を強化することを目的にプログラムが構成されています。
海外で身につけた英語を無駄にせずそのまま進学・受験・資格に繋げるカリキュラムも取り揃えています。
現在は首都圏を中心に英語補習校のプログラムを提供しています。
英会話カフェを活用する
英会話を気軽に安く学びたいということであれば、「英会話カフェ」もおすすめです。
「英会話カフェ」はその名の通り、お洒落なカフェでさまざまな人と、英会話をします。
マンツーマンの場合もあれば、講師が進行役となって、グループで会話をする場合もあります。
メリットは何といってもその手軽さ!
カフェの空いた時間であれば、利用できるので自分の隙間時間にピッタリ!
また、料金もとても安く1時間1000円程度を目安にしているカフェが多いようです。
レッスンの雰囲気も通常の英会話スクールとはまったく違います。
カフェですのでお茶を飲みながらとてもリラックスした気分で英会話を学ぶことができます。
レッスン自体自由な雰囲気がありますので、海外に行って外国の人と話すときに限りなく近い状態を得ることできます。
しかし、英会話カフェの会話相手はプロの講師ではないことがほとんどですので、しっかりとした指導ができ、経験豊富な講師と英会話をしたいということであれば、英会話教室のほうが良いでしょう。
あくまでも英会話カフェは習った英語を実践で使用するための、サポート場所として認識するのが良いかもしれません。
英語の本を定期的に読む
今まで紹介してきたスクールや講座は大変魅力的ですが、基本も忘れてはいけません。
定期的に英語の本を読むことで、英語保持に役立ちます。
英語保持以外にも英語の本を定期的に読むことによって、
・英語の語彙力が増える
・英語の読解力と思考力が伸びる
特に小さければ小さいほど英語を話すことをできても、語彙力が培われていません。
家族や友達と難なく英語でコミュニケーションが取れるかもしれませんが、語彙力をアップさせないと将来大人になって「使える英語力」にならないのが現実です。
英語の本を定期的に読むことで、英語保持はもちろんのこと、自身の英語力の成長にも繋がります。日本語の言い回しや語彙力も読書によって培われますよね。
英語にとっても読むということは本当に大事ですね。
立命館宇治が提供する小学生のための英語講座「RitsKids」
私立学校が独自の自校の教育環境、条件を活かして英語学習を行っている学校があります。
その一つ京都にある、立命館宇治が提供する小学校のための英語講座「RitsKids」を紹介します。
「RitsKids」は、プレスクールなどに一定期間通学経験を持つなど、ある程度の英語学習を経験したことのある児童、または帰国子女とインターナショナルスクールに在籍した経験を持つ児童を対象としています。
一般の児童は対象ではなく、ある程度ハイレベルな英語能力が求められます。
さらに、この英語講座は英語の授業だけではなく、英語で理科・算数・社会・コンピューターなどさまざまな授業するのも特徴です。
帰国子女には立命館宇治の教育環境で、ハイレベルな英語教育を受けられるということに魅力を感じますね。
帰国児童の英語力伸長プログラム「DIVE PROGRAM」
立命館宇治の「RitsKids」同様に同志社国際中学、高校でも自校の教育環境、条件を活かして独自の英語講座を行っています。
その名も「DIVE PROGRAM」
入学資格は1年以上の海外経験を持つもの、英語による授業に支障のない英語力を有するものとホームページに記載がある通り、こちらの講座もある程度ハイレベルな英語能力が求められます。
毎週土曜日の授業で、科目は理科・算数・社会・コンピューターなどさまざまな学習をします。
紹介した2つのプログラムは日本の関西有名私大の付属校。
その付属校の教育方針のもと、ハイレベルな授業を受けられるのが非常に魅力的ですね。
個人的には英語「で」何かを学ぶということにさらに魅力を感じました!
長期休暇を利用して短期留学
短期留学も帰国子女の方に人気があります。
ただ、帰国子女の方はすでに英語はマスターしているケースが多く、その場合は「英語で何かを学ぶ」ことが多いです。
例えば、プログラミングやデザインなどがあります。
英語を話せるのが当たり前になる今後、今のうちから英語だけでなく、英語+α、つまり「英語で何かを学ぶ」経験をしておくことは重要です。
夏休みや冬休みなどの長期休暇を利用すれば、学校を休むことなく、留学ができます。
中には、学校の休みをフルに使用して1ヶ月〜2ヶ月間留学する学生もいれば、1週間だけ留学をする学生もいらっしゃいます。
実際にどんな人が留学しているか気になる方は、弊社のIT留学にきてくれた高校生のインタビュー記事があるので、よろしければご覧ください。
長期休暇を利用して1ヶ月のIT留学!高専生がセブに来た訳とは?
15歳の高専生がセブ島IT留学へ!初海外、新たなチャレンジで得たものとは?
また、留学と聞くと、「現地で遊ぶだけにならない?」「しっかり勉強できるの?」という不安を持つ方も多いと思いますが、スクールによってはカリキュラムがしっかり組まれ、勉強に集中できる環境が整っているところもあります。
留学をする際は、運営元がしっかりしているのか、カリキュラムの質はどうなのかを必ず確かめるようにしましょう。
無料相談や、無料体験講座などを行っているスクールもありますので、ぜひチェックしてみてください。
帰国子女の英語力を測るのに最適な試験は?
英検
英検とは、実用英語技能検定の略で日本語検定協会という民間団体が主催する英語技能の検定試験です。
日本では後述するTOEICと並んで最も知名度の高い英語の検定試験の一つとなります。
1級から5級まであり(準2級と準1級があります)、2級は大学入試レベルと言われ、準1級は就職活動に有利になると言われています。
1級に合格すれば、英語圏でも十分に生活できる英語力を持っていると言えるでしょう。
帰国子女の場合、単なる試験ではなく英検の取得状況が、大学の帰国生入試の推薦の条件となっています。
帰国子女は最低でも準1級を持っておくと良いでしょう。
TOEIC(トーイック)
TOEICは世界中で広がっている最も有名な英語試験です。
外資系企業をはじめとして、英語力を求める多くの企業では採用試験の英語力の目安としてTOEICのスコアを用いています。
試験もビジネス用語やビジネスの知識なども必要なので、帰国子女にはあまりおすすめする試験ではありません。
TOEFL(トーフル )
TOEFLテストは、アメリカに拠点を置く機関が開発した英語試験で、主に北米の大学への留学を志す人を主な対象としています。
試験内容は主に大学レベルのアカデミックな場面で必要とされる、英語運用能力を測定する試験です。
自然科学や、芸術など幅広い分野の教養目的や学校生活に関する題材が扱われます。
また帰国子女の大学入試では出願の際、提出が義務となっている学校がほとんどです。
上記のことからTOEICとしばしば比較されるTOEFLですが、帰国子女の英語力を測るにはTOEFLの方が良いでしょう。
IELTS(アイエルツ)
IELTSは世界140ヵ国の会場で受験することができるテストであり、イギリスやオーストラリアなどの英語圏へ海外移住する際の申請資格などに使われるテストです。
TOEFLとの違いは、イギリスやオーストラリアなどで重視されている点です。
IELTSでは面接官と1対1でスピーキングの試験を行います。相手とコミュニケーションを取りながら試験を行いますので緊張感が少ないというメリットがあります。
ただし、基本的にイギリス英語の試験なので、アメリカからの帰国子女は不利になってしまうというデメリットもあります。
帰国子女が知っておくべきAO入試と海外進学
AO入試
帰国子女が日本の大学進学する際、一般入試とは別の帰国生入試で大学受験をする学生も多いですが、帰国生入試は海外からの中途帰国生の場合、帰国生入試を利用できません。
そのような帰国子女におすすめなのが、大学のAO入試です。
海外経験のある帰国子女が特に国際系大学のAO入試を受験する際、TOEFLや英検などの英語資格が必須、あるいは重要な資格として利用できるため、海外で得た英語力や資格が帰国子女にとってはアドバンテージとなります。
先述したようにTOEFLなどの資格(もちろん高得点)は受験にあたり必須なので、ハイスコアを取得しておきましょう。
海外進学
また、最近では、帰国子女がまた日本を飛び出し、海外の大学に進学するケースも多いです。
将来の進学の選択肢を広げるためにも海外進学についてお伝えします。
帰国子女で将来的に海外校へ進学したいという方には、国際バカロレア認定校やインターナショナルスクールを検討しましょう。
海外大学を受験する資格を卒業時に得ることができます。
特に国際バカロレアを取得すると、海外の大学の進学のチャンスが大きく広がります。
帰国子女の中でも外国語をもっと伸ばしたい、海外での学びのスタイルが自分に合っている、と本人や親御さんが考えている場合は、日本の大学進学に縛られず再度海外の学校へ進学することを1つの選択肢として持っておきましょう。
まとめ
帰国子女の方々は小さい頃から海外で暮らしている特殊な環境で育っています。
本人や親御さんにとって、せっかく経験した海外での生活、異言語の習得は必ず後々の人生に役立つことでしょう。
しかし「帰国子女だから英語力を保持しよう」「帰国子女だから英語が話せて当たり前」「語学を学んだから良い大学に行こう」と思ってただ単に英語を勉強するのではなく、大切なのは「なぜその大学に入るか」、「なぜ英語を勉強するのか」をしっかり明確にする必要があります。
経験した海外生活や英語の習得、それらを存分に活かしましょう。
冒頭触れたような英語「で」何かを学び、帰国子女の経験を活かすことができれば、真の国際人になるのではないでしょうか。
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