学生の進路選択

教育改革が進む広島県で注力されているインターナショナルスクールの魅力

教育改革が進む広島県で注力されているインターナショナルスクールの魅力

瀬戸内海に面し、多くの川が流れることで水の都のひとつとしても有名な広島県。

厳島神社や広島城など日本の古き良き歴史を学ぶことができ、原爆ドームという悲しい過去と平和な未来への祈りに触れられる場所もあります。

そんな広島県は、以前から教育改革に力を入れており子育て世帯からの注目を集めています。

「学びの変革」と呼ばれる教育改革は具体的にどんなものか、グローバル化に向けてインターナショナルスクールの開校も増える広島県の今をお伝えします。

広島県の教育改革について

広島県では、平成26年(2014年)12月に「学びの変革」という新たな教育方針を策定しました。

時代の変化によって環境や社会の在り方が目まぐるしく変わるなか、学校教育の方針やその中身を見直すことで「広島で学んでよかったと思える、広島で学んでみたいと思われる、日本一の教育県の実現」を基本理念と掲げて改革が始まりました。

 

グローバル化に向けた教育改革

広島県は農水産物が数多くあり、世界文化遺産もあることから観光業も賑わっていますが、その担い手が減少しているという問題があります。

少子化の問題とグローバル化の進展に追いつくためには、今暮らしている子どもたちへの教育を手厚くし、子育て世帯を応援することで、広島の暮らしやすさ・教育の良さを実感してもらい、ゆくゆくは地域の発展と世界で活躍できる人材を育てていくことが必要です。

そのため、改革における「目指す姿」のひとつに「グローバルな感覚を持った人材が育ち、企業や地域社会などで活躍しています」というものがあります。

目指す姿を実現させるためのアクション・プランでは、学校だけではなく地域も協力をして家庭と連携することで、社会全体が教育に関わることを目指しています。

また、いろいろな人とスムーズなコミュニケーションが行えることも目標としており、地元だけではなく外国の文化に触れる機会を増やしています。

グローバル化の目標達成に向けて、広島県ではインターナショナルスクールが数多くあり、どの学校も魅力あふれる特色を持っているので県外から移住してくる人もいるほどです。

引用:広島版 「学びの変革 」アクション ・プラン|広島県教育委員会

 

インターナショナルスクールの種類と特徴

子どもたちに外国の文化に触れさせ、さまざまな国の人と交流をしてほしいと考えたとき、インターナショナルスクールへ通う選択をする家庭もあります。

そもそものインターナショナルスクールは、日本に暮らす外国人の子ども向けに作られた施設ですが、校内では英語を使ったコミュニケーションが主流なことや日本の教育とは異なる授業内容などに注目され、日本人でも通っている人が増えつつあります。

そのほとんどは日本の学校とは異なり、義務教育の枠に当てはまらない「各種学校」や無認可学校という区分がされます。日本の学校と同等を表す「一条校」もありますが、数が少ないのが現状です。

将来、海外への進学を考えている人は、インターナショナルスクールを修了した際に「国際バカロレア資格」という、大学入学資格を得られる学校を選択するケースが多いです。
また、全日制で通学をするタイプの学校や敷地内で寮生活をしながら学ぶボーディングスクールタイプがあります。

ほかにもアフタースクールと呼ばれる、いわゆる放課後の習い事として平日や週末に通うタイプもあり、家庭の希望に合わせた選択ができます。

広島県のインターナショナルスクール5校

広島県では、日本ではじめての全寮制小学校が開校されたり、県内の色々な場所にインターナショナルスクールが開校したりと、スピーディな改革が行われています。

今回は、その中でも5校の魅力をお伝えします。

 

広島インターナショナルスクール

1962年に設立された広島インターナショナルスクール(HIS)は、3歳から18歳までを対象とした学校です。

生徒の国籍に偏りが出ないよう、アメリカ系やイギリス系だけでなく、全体の半数近くを多国籍で占めるように受け入れています。

受験資格は特にありませんが、書類審査や校長との面接、算数や英語の学力審査があります。

HPもほとんどが英語で表記されており、語学学校としてではなく、英語はコミュニケーションツールであり、英語を使って算数や理科など学問を学ぶというスタイルです。

対象年齢3歳~18歳(幼稚園~高校卒業)

名称 広島インターナショナルスクール
住所 広島県広島市安佐北区倉掛3−49−1
得られる資格 国際バカロレア資格、NEASC、CIS
ホームページ http://www.hiroshima-is.ac.jp/

 

広島県立 広島叡智学園

広島叡智学園は、将来さまざまな場所で活躍できる人となれるよう「グローバルな視野」と「地域に根付いた心」の双方の価値観を理念に掲げています。

生徒ひとりひとりが主体的に物事を考えられるよう、「未来創造科」という教育活動を通して、戦争や貧困など世界中で起きている出来事をテレビの中のこととせず、自分たちの課題に置き換えて、その課題を解決に繋げるようチャレンジすることを経験します。

課題によっては正解・不正解でくくれないものもあり、意見の違う人とぶつかったり、やり方を間違えたりすることもありますが、こうした失敗も「成長のきっかけ」であると考え、生徒と先生が一緒に成長していける学校なのです。

また、インターナショナルスクールの中では数が少ないですが、日本の高等学校卒業資格を取得でき、日本語も英語も学ぶことができるのが特徴です。

さらに全寮制の学校なので、授業も私生活でも一緒に過ごす仲間たちとかけがえのない経験ができることでしょう。

対象年齢中学校・高等学校(全寮制)

名称 広島叡智学園
住所 広島県豊田郡大崎上島町大串3137−2
得られる資格 国際バカロレア資格、日本の高等学校卒業資格
ホームページ https://higa-s.jp/

 

神石インターナショナルスクール

日本ではじめてとなる全寮制の小学校です。

日本の公立・私立小学校と同じく、学校教育法第一条によって定められている学校(一条校)なので、インターナショナルスクールでありながら、卒業後に義務教育を修了したとみなされます。

卒業後は海外や国内のインターナショナルスクールのほか、日本の公立・私立中学校へ進学することも可能です。

学校では、日本語と英語を活用しながら算数や理科などの科目を学びます。

日本の学習指導要領とインターナショナルプライマリーカリキュラム(IPC)を併せたカリキュラムを使用し、バリエーション豊かな教育が特徴です。

学校は広大で自然豊かな土地に建てられ、南には瀬戸内海に面したビーチ、北にはスキーリゾートがあり、シーズンごとのアクティビティを体験できます。

対象年齢小学1~6年生(全寮制)

名称 神石インターナショナルスクール
住所 広島県神石郡神石高原町時安5020ー77
得られる資格 日本の小学校(義務教育)を修了したとみなされます。
ホームページ https://jinis.jp/

 

オルコットインターナショナルスクール

オルコットインターナショナルスクールは、幼稚園を指すプリスクールと小学校に通う年齢を対象としたアフタースクールがあります。

プリスクールでは、英語を母国語とした先生たちと接しながら、施設内はオールイングリッシュとされており、さまざまなカリキュラムをこなします。

歌やダンス、遊びを通して英語による生活に慣れながら、少しずつ単語や算数を学び始め、会話へと繋げていきます。

アフタースクールでは、放課後の英会話スクールとしてレベル別に分けられたクラスの中で文章の読み書き・会話を通した語彙力アップなどを目指します。

対象年齢プリスクール:2歳の誕生月~年長
英会話スクール(アフタースクール):3歳~小学校6年生

名称 オルコット インターナショナルスクール
住所 広島県広島市東区若草町15−10
得られる資格 国連英検ジュニアテスト
ホームページ https://alcott-ps.com/

 

AIC国際学院広島 初等部

こちらを運営しているAIC鷗州グループでは、幼稚舎を始め、広島や京都に学校があります。

そのため、幼稚舎から初等部、中学・高等学校まで同グループ内で進学していく人が多いです。

初等部では、全生徒がタブレット端末を使いながら授業を通してICT環境を経験しています。

さらに脳科学的に効率の良さを考えた学習活動を実行しており、自己肯定感や問題解決の力を高めるようなカリキュラムが組まれています。

AIC鷗州グループは、鷗州塾として難関中学・高校・大学への進学をサポートしてきた実績があり、そのノウハウを持ちながら日本と海外の教育を組み合わせたカリキュラムが特徴です。

対象年齢年少~小学校6年生

名称 AIC 国際学院広島 初等部
住所 広島県広島市南区大須賀町13番13号
得られる資格 初等部では特定の卒業資格はありませんが、同法人の一条校への入学サポートがあります
ホームページ https://aicwc.jp/

まとめ

日本で最初の全寮制小学校となるインターナショナルスクールが開校されたり、日本有数の教育学部を擁する広島大学があるなど、非常に開明的な教育のあり方を模索しているのが広島県です。

県全体で教育の改革を進めながら、地域と学校と家庭の連携をとることで、広島から世界中で活躍できる子どもたちが育っていくことでしょう。

そして少子化が続く今だからこそ、将来の担い手である子どもたちと子育て世代へのサポートを充実させていくことが大切ということがわかりますね。

今回はインターナショナルスクールにフォーカスしてご紹介しましたが、一部のインターナショナルスクールを除き、やはり「一条校」として日本の義務教育修了資格などを得づらいのが難点とはなるでしょう。

日本全体でグローバル化へ向けた教育改革が進むなかで、学校と家庭以外にも学べる環境も増えつつあります。

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