グローバル化が進むにつれて、海外進学に興味を持たれる方も徐々に増えてきています。
しかし、いざ海外進学をしようとすると、
「どうやったら海外の大学に進学できるのかわからない」
「どうやって自分にとって良い大学を探せばいいかわからない」
「行ったことない地に人脈がない状態でいくのは不安」
といった悩みや不安が後を絶ちませんよね。
実際、Awesome Ars Academia(オウサムアルスアカデミア)では、IT留学やオンラインプログラミング講座を運営する中で、生徒さんからそういった質問を受けることが多々ありました。
そこでこの度、ヨーロッパ進学をサポートされている「EN EuroEducation」の代表である北村さんにインタビューをさせていただきました。
- ヨーロッパ進学のメリット
- 若いうちから海外に出る意義
- 異文化の定義
といったトピックなども含まれていますので、海外進学や、海外留学に興味のある方は、ぜひご一読ください。
インタビュー内容は、こちらの動画でもご視聴いただけます。
記事とあわせてぜひご覧ください。
EN EuroEducationって一体どんな会社?
ーー今日はお時間とっていただきありがとうございます。よろしくお願いします!
北村 よろしくお願いします!
ーー早速なのですが、インタビューに移らせていただきます。まずEN EuroEducationが具体的にどんなことをしているのかお聞かせください。
北村 EN EuroEducationは、学生さんたちの大学進学をサポートしている組織です。といっても実は従業員は私だけで、完全に私個人の会社なんです。わかりづらい人は劇団ひとりを想像してもらえるとわかりやすいかな(笑)。職業としては、ガイダンス・カウンセラーという職業になります。
ーー例えがわかりやすい...。ありがとうございます。ガイダンス・カウンセラーとは一体どんな職業なのですか?具体的にどういったことをされるんですか?
北村 わかりやすくいうと、進路指導のプロです。学生さんの今後の進路に対してさまざまな面でサポートしてあげるのが主なお仕事です。実はガイダンス・カウンセラーって日本だとあまり知られてないんですが、欧米では普通に学校に在籍している教員の1人です。進路って誰にとっても重要なものじゃないですか。言ってしまえば普通の授業と同じくらい大事なわけです。
なのに(日本の高校だと)授業では教科の専門の先生が教えるのにも関わらず、進路のことになると専門家がいない。ガイダンス・カウンセラーはその道のプロとして、一対一で学生さんと向き合い、とことん話をしながら、学生さんが将来なりたい像に近づくために大学で何を学ぶべきなのか、また大学で学んだことをどうキャリアに活かせるのか、などをアドバイスし、希望大学で学べるチャンスを掴むため出願全般をサポートする職業です。
ーーなるほど。僕自身、正直EN EuroEducationを知るまでガイダンス・カウンセラーの存在は知らなかったです。僕も知っていたら受けてみたかった...。では、それを踏まえて、EN EuroEducationの特徴、他とここが違うというポイントを教えてください。
北村 特徴としては、生徒さんと徹底的に向き合うようにしているところです。あと、間違えられることもあるのですが、留学エージェントとは異なります。留学エージェントの場合、いくつかの大学と協定を結び、取引先の大学へ生徒さんを斡旋して大学側から仲介料としてのコミッションを頂くビジネスモデルになるので、提携大学の紹介は無料で行うことができますが、生徒さんが行ける大学は取引先大学限定となります。
一方で、EN EuroEducationは大学側から一切コミッションを受け取っていません。取引先としてリストアップされた大学への留学を「仲介」するのではなく、大学と生徒さんの間で中立的な立場を保つことで、ヨーロッパ全域にある全ての大学を対象とした広範囲の選択肢の中から生徒さんにぴったりの大学を「探し出す」ことが可能になります。生徒さんからカウンセリング費用を頂きますが、本当に自分に合ったスクールはどこか、という観点で、生徒さんにとってベストフィットなスクールを提案することができます。
あとは、おそらくヨーロッパを専門とし、ヨーロッパの中心と言われるベルギーにオフィスを構え、エージェントとしてではなく、生徒主体のガイダンス・カウンセリングを日本語で提供している会社はうちだけだと思います。そして私自身海外生活はもちろんヨーロッパの教育機関で10年以上現場でキャリアを積んできたので(海外生活30年目、そのうちベルギーは18年)欧州諸国の大学とのネットワークや出願についての知識は豊富だと自負しています。サポートの一環として生徒さんに勧める大学に自ら足を運んで自分の目でチェックを入れていますがこれも私がベルギーに住んでいるからできること。この点も特徴の1つです。
ーーそんな中でEN EuroEducationは、ヨーロッパ進学のサポートをされていらっしゃいますが、なぜヨーロッパなのか聞かせていただきたいです。
北村 理由としては、ヨーロッパの教育は費用が安く、質が高いためです。そして、それを知っている日本人の方はとても少ない。政府のデータからも、大半の学生さんが費用への懸念や情報の無さを理由に留学を断念しています。私自身も留学したとき、学費の問題や情報が少ないことで苦労した経験がありますが、そういった学生さんをサポートしたくて、ヨーロッパにある大学への進学を扱ったガイダンス・カウンセリングを行っています。
「留学=高い」っていう固定概念が形成されていますが、実は、ヨーロッパの大学って私たちのようなNon-EUの人(EU国籍でない人)でも、安いところであれば学費が1年間で20万円かからないくらいですし、生活費も東京と比べて明らかに安いです。そうなると日本で国公立に行くよりも安く済んでしまうんです。さらに高等教育発祥の地としてヨーロッパ各国では教育に力を入れている国が多いことから教育の水準も高いです。
ーーそれは惹かれますね。20万円って日本私立大学の5分の1レベル...。私立大学に行ってた身からすると泣きそうになります。次にEN EuroEducationが持っている「GOENネットワーク」について少しお話を聞かせていただきたいです。
北村 GOENネットワークは、出願を希望する学生さんと、希望先の大学ですでに学ばれている学生さんが直接話ができるコミュニティです。学生さんからすると行ったことのない国の行ったことのない場所・大学って不安だらけだと思うんです。
そこでEN EuroEducationでは、その不安を解決できる唯一の存在である「同じ道を一歩先に歩んでいる人」と海外進学を検討している人をマッチングさせる取り組みをしています。EN EuroEducationが持っているヨーロッパのEU加盟国27カ国とスイスにある何百校もの大学とのコネクションを活かし、コミュニティを作ってあげることで、海外進学を検討している方の不安が少しでもなくなればいいなと思っています。
ーーありがとうございます。既に経験している人から直接生の声を聞けるのはいいですね!なかなか自分一人でそういった人を見つけるのは難しいですし...。次の質問なのですが、EN EuroEducationでは会社のミッションとして、「Best-Fit University」を掲げていますよね。このミッションはどういった意味合いを込めて作ったのですか?
北村 私自身ずっと海外に住んでいながらも、日本の友達とはコンタクトは常にとっていて、そんな中で、日本人は大学名にすごい左右されてしまっているなと感じたんです。それは就職に関しても同じで、自分のやりたいことよりも会社名で選んでしまう、そして満足度が得られない人があまりにも多い。私からすると「そりゃそーでしょ」と思うわけです。恋愛も全く同じで、相手の肩書きじゃなくてどういう人間なのかという中身が大事じゃないですか。
私たちの顔や性格が全員違うように、その人に合うものって人それぞれなんです。学び方も学ぶペースも人それぞれ。有名大学が悪いということでは決してありません。ただ大学名だけに惹かれて進学先を決めるということには賛成できません。「どこを卒業したか」ではなく「何を学んで何ができるか」で勝負できるよう、そして生徒さんが学びたいことを学べる、自分に本当に合った大学を見つけ出そう!という思いから、この「Best-Fit University」を掲げたんです。
ーー確かに日本人は大学名、会社名で選んでしまう傾向にありますよね。長年アメリカ、ヨーロッパと海外で過ごしてきた北村さんだからこそ、俯瞰してみた上で、日本のそういった傾向に違和感を覚えたのですね。そのBest-Fit Universityをいうミッションのもと、北村さんは今までかなりの数の学生さんをサポートされてきたと思うのですが、EN EuroEducationで海外進学をお手伝いしている学生さんってどんな方が多いですか?
北村 さまざまです。ただ、地方にお住まいの方が多いです。都内だと留学フェアみたいなものに参加できたりするんですが、地方だとそれがなかなか難しいからだと思います。あとは、今まで海外在住経験がない日本在住の生徒さん、生徒から教えてもらったんですが「純ジャパ」と呼ぶそうですね、も多いです。
「全く海外に接点がないんだけど、海外に行ってみたい」ということで相談を受けることは結構ありますね。その中で、年間300〜400万円する高額なアメリカやカナダ留学ではなく、年間100万円程度で留学できるヨーロッパ留学に魅力を感じて相談に来てくれます。中には40〜50万円しか出せないという方ももちろんいて、そういった方とは一緒に奨学金を探すところからサポートしています。
ーーありがとうございます。海外進学のサポートと一言でいっても、奨学金を探すところからサポートされていたりと、かなり幅広くサポートされているのですね。北村さんは初めはアメリカやヨーロッパの学生さんの大学進学をサポートしていて、昨年くらいから日本人のサポートをはじめたとお聞きしましたが、日本人のサポートを開始した理由ってありますか?
北村 私が日本人だからっていう理由が一番大きいです。前職を通じて何百人という日本の高校生と接してきた中で、経済的な事情、そして相談できる相手がいないからという理由で海外進学をあきらめていく子達をたくさん見てきました。そんな中、経済面で色々と苦労した昔の自分と重なって「少しでも力になれたら」と思い、日本の生徒さんのサポートを開始しました。
日本の子供たちって真面目ですごく頑張り屋さんなのに、自信がない子があまりにも多すぎる。生徒さんたちが持つ自身の可能性を信じることの大切さだとか、「海外なんて自分には無理」と思っている子達の胸を内を聞いて、彼らが希望する進路が実現できるよう全力でサポートしてあげることが私の役割だと思っています。”Be who you needed when you were younger” という言葉があるんですが、この言葉がカウンセラーとしての独立を決意させてくれました。生徒さんたちの海外進学に対する不安が少しでもなくなり、挑戦しやすい環境を作っていければいいなと思っています。
ーー僕自信、留学経験があるのですが、確かに留学する前や、している最中に、自分の英語のアクセントが気になって自信がなくなってしまうことは多々ありました。そんなときに、北村さんみたいに「No Problem!そんなの全然大丈夫!」と背中を押してくれる人がいてくれたらすごく気持ち的に楽だっただろうなと思います。では、次の質問なのですが、北村さんはそういった活動を通して、どういった瞬間にやりがいを感じますか?
北村 生徒さんが私と話をして、諦めていた選択肢を「頑張って挑戦してみよう」と思ってもらえた瞬間はとても嬉しいです。生徒さんの中には、学校の先生から海外進学の選択肢は絶対に無理と言われた人もいます。17歳、18歳の子供達が大人からそう言われれば「そうなんだ」と諦めてしまうでしょう。
ただ、それはすごくもったいない。挑戦してみたいことを真っ向から「無理」というのではなく、どうやったら実現できるかを一緒に考えるってすごく大事だと思うんです。「ダメもとでやってみよう」と行動する勇気を持ってもらいたいんです。生徒さんたちが強くなって前進したのを見届けた時、私自身も幸せを感じます。
ーーありがとうございます!いい話...。少し話はそれますが、北村さんはEN EuroEducationでの活動のほかに、ベルギーの大学やEU機関で異文化コミュニケーションの講義を行っていたり、北米・欧州の様々なフォーラム、学会でもスピーカーとして登壇されていますが、少しだけどんなことを話しているのか教えてもらってもよろしいでしょうか?
北村 ベルギーの大学で客員教授として異文化コミュニケーションについて話をしており、学会やフォーラムでは、異文化コミュニケーションが高等教育の国際化においてどういった役割をしているか、などを題材に話をさせて頂いています。講義などでまずはじめに私が聞くのは「そもそも異文化って何?」という質問です。実は、異文化の定義について答えられる人って案外少ないんですよね。
私の授業では「異文化ってなんだろう」に焦点を当てて、異文化が引き起こすさまざまな違い、国をまたいだ異文化だけでなくジェネレーションによる異文化などについても話をしています。例えば、りんごを見るという行為一つをとっても、人によって感じることは違いますよね。若者はMacBookを想像する人もいるだろうし、白雪姫を読んだばかりの幼稚園児は毒りんごを想像するかもしれない。インプットは同じでも自分というフィルターを通して出てくるアウトプットって必ず人によって異なるのです。こういうのも異文化だとわかってほしくて授業や講義でプレゼンをしています。
北村さんの過去とEN EuroEducation
ーーここからは少し北村さんの過去について伺わせて頂ければと思います。北村さんは、中学卒業後、アメリカの高校に進学されていましたよね。当時、単身でアメリカに渡米することに不安はありましたか?
北村 渡米する前は、実はそんなに不安ではなかったです。中学生だったのであまり深く考えていなかったんだと思います。また中学時代は英語も得意だったので、現地でもなんとかなるだろうと勝手に思い込んでいました。しかし、現地に行ってみると、イメージと全く違って自分の英語が全く理解してもらえなかったんです(笑)。アメリカ人に「Hello, How are you?」って聞かれて、「I’m fine. Thank you. And you?」と言ったときに笑われたこともありました。
ーー日本の英語の教科書で一番最初に習う英語が「Hello, How are you?」に対する受け答えですもんね...。日本ではその受け答えが正しいとされていますしね。
北村 そうなんです。自分の英語は通じないし、相手の英語も理解できなくてとても大変でした。あと、アメリカの環境もカルチャーショックが多かったですね。食も日本と違いますし、当時は寮生活だったので、プライベートも確保できませんでした。アメリカに着いた初日から日本に帰るまでのカウントダウンを始めてましたね。「あと365日...364日...」って日記でつけていました(笑)
ーーやはり、1人で海外に住むことは、すべて自分で自己完結しなければいけないので、とても大変ですよね。この気持ちは、海外生活を経験した人は誰もが感じる道かもしれないですね。そのような学生時代の背景も、現在のような活動へ繋がっていたりするんですか?
北村 そうですね。海外で暮らしてみると必ず最初は不安な気持からのスタートだと思います。現地のことも知らないですし、最初は友達もいないですし、何もかもが異文化で、右も左もわからない。でも慣れると必ず大丈夫になるよ、という体験談をシェアしたり、GOENネットワークを使って渡航先に知った人がいるという環境を作ってあげることで、不安な気持ちを少しでも解消させてあげたい、という思いが、今の活動に結びついているところはあるかもしれないです。
ーーなるほど。過去にそんな悩みや苦悩も自ら体験したからこそ、今の活動と繋がっているんですね。次は会社名について少しお話をお伺いさせていただきたいのですが、「En Euro Education」の「EN」って「English」の「En」ではないんですよね。初めて御社の名前を見た時に、「English」の「En」かと思いました(笑)
北村 そうなんです。実は、「English」の「En」ではなくて、ご縁の「縁」という意味が込められています。
ーーその理由について、詳しく教えていただいてもよろしいでしょうか?
北村 これは、昔から「縁」という言葉がとても自分に響く言葉だったんですね。そんな中ちょっとしたエピソードがありまして。随分前の話になりますが私の母が駅で電車に乗り間違えて泣きそうになっている中国人の留学生を見つけて色々と話を聞いてみたらホームステイ先を探しているとかで。「じゃぁうちに来る?」ということで、その留学生の女の子、私の実家にホームスティすることになりました。たしか3年間くらい。そのときに、彼女の彼(同じく中国出身で現在の旦那様)から手書きの「縁」という字をもらったんです。うちの母から常に「ご縁を大切に」と言われて育ってきたんですが、偶然同じ字を彼らの気持ちとしてプレゼントしてもらった。国は違えど心は同じ、とじーんときて、その「縁」という字を写真にとって自社のロゴに使っています。
ーーこのロゴですよね。
北村 はい、そのロゴです。改めて自分がここまで来れたのは周りからの支えや今まで会ってきた人たちがいたからこそ、色んなご縁が繋がって今があると思ったんです。人と出会う「縁」は、努力しても手に入るものでもないし、お店で買えるものでもないです。巡ってきたご「縁」は私たちにとって大きな財産となる宝物なので、きちんと掴み取って大切にしていきたい。ご縁があって将来へ繋がっていく、ということを忘れないよう「縁」という言葉をを社名として付けた経緯があります。
ーーなるほど、そんな深い背景があったんですね。偶然出会った留学生を自宅でホームステイさせるってなかなかないですよね。とても面白かったです!
EN EuroEducationと北村さんのこれから
ーーではここからは、EN Euro Educationのこれからについてお聞きしていこうと思います。まずEN EuroEducationは、今後どんな風に活動を行っていく予定なのかをお聞きしたいです。また、どうなりたいという目標などあれば併せてお聞かせください。
北村 なるべくたくさんの学生さんに、もっと言うと地方の普通の高校に通っている子たちにまで情報が届く機会を作っていけたらと考えています。 EN EuroEducationでは、一般的なガイダンスカウンセラーの半額くらいの価格で相談・サポートをお受けしているのですが、家庭によってはそれでも高いと感じることがあると思います。そんな中で、サポートが必要な生徒さんが気軽にサポートを受けれるように生徒さんを支援してくれるスポンサーの必要性も感じています。本当は情報提供やカウンセリングは無料でしてあげたい。でも実質上、情報収拾や大学フェアを開催しようものなら様々なコストがかかるのでそれができない。歯がゆいです。
ーーなるほど、学生のことを第一に思っているからこその考えですね。
北村 そうですね。私の会社への支援ではなく学生さんへの支援として、カウンセリングを受けるための資金援助の仕組み、制度があればと思っています。国が本当に海外で学びたいと思っている生徒さんを応援したいと思うのであれば、学費が高い大学で学ぶための限られた数の奨学金を出すのではなく、教育の質は落とさずとも学費が安い大学の情報提供や、出願におけるさまざまなサポートを提供できるカウンセラーに対する助成金があってもいいのでは?と思うんです。そうすれば生徒さんたちは無料でカウンセリングが受けれるし情報が得られる。奨学金をもらわなくても十分行ける大学の情報があればより多くの学生さんに海外進学を叶える機会を提供できるのではと思います。
ーーありがとうございます。続いて、日本の海外進学についてお聞きします。日本で海外進学と聞くと、現状かなりハードルが高いように感じます。北村さんは、日本の海外進学に対する見方が今後どんな風に変わってほしいと考えていますか?
北村 まずは国内外問わず、大学に行けること自体がとても恵まれていているということを認識してもらいたいです。その上で、海外の大学へ進学することは日本の大学と比較して、そんなに難しいことではないとお伝えしたいです。
ーーそうなんですか!?その理由について聞かせてください。
北村 はい。なぜなら、欧州の大学には日本のように1回きりの入試というものがなく、どちらかというと日本の就職試験に近い審査が行われ、大学の合否が決まります。高校3年間の成績はもちろん大事ですが、ボランティアやバイトなど今まで自分がどんなことをしてきたか、また今後どういうことを学んでいきたいか、ということをアピールすることができれば入学のチャンスは高くなります。ただし、入学してからの勉強は大変ですけどね。でも普通にちゃんと勉強しておけば落第することはありません。学期中は学び、休みになったら遊ぶ。オンとオフの切り替えが大事です。
ーーそうですね。日本では「大学=遊び」の図式がまだありますから、しっかり勉強するという意味でも日本の学生はもっと海外進学に積極的になるべきですね。では次に、早い段階から海外に視野を広げることの大切さについて教えてください。
北村 私は異文化を体感して理解することがとても大切だと感じていて、その意味でも海外に出て視野を広げることはとても重要だと考えています。私はこのことを伝えるために、留学のプレゼンをするとき、3つの世界地図を紹介しています。
ーー3つの世界地図ですか?
北村 はい。1つは日本が中心にあるよく見る普通の世界地図です。2つ目はアメリカが中心にある世界地図、3つ目はヨーロッパが中心にある世界地図です。それらは私が現地にいたときに実際目にしてきた世界地図なんです。アメリカに行けばアメリカが中心、ヨーロッパに行けばヨーロッパが中心で 同じ世界地図なのに全然違うように見えて、私は当時すごくカルチャーショックを受けました。そのとき、これが海外に視野を広げることの大切さなんだと気付きました。
ーー確かにすべて同じ内容ですが、見る角度が変わると全然違うものに見えますよね。これが海外に視野を広げることの大切さなのでしょうか?
北村 そうです。自分が当たり前だと思っていることが、別の所へいくと当たり前じゃないということに気づく、これが大切なんです。自分と異なる意見を持った人に対して正しいかどうか、はなかなか決められません。ただ自分とは異なる意見をもつ人、そういう存在がいることを認識しているかどうかで、他人に対しての柔軟性は変わってきます。そういう柔軟性をもつことが大切だと考えています。大人になってから海外へ行くと、自分の考えがすでにできあがっているので、違う見方を受け入れにくくなってくる部分があります。だからこそ学生のうちに海外に出て柔軟性を身につけることが大切だと感じています。
ーー確かに実際に現地で違いを感じて、衝撃を受けるとその後人生にも変化が生まれますよね。
北村 そうですね。実際に海外へ行って、違和感を感じることからはじめて欲しいですね。そして、なぜ違和感を感じるのか、ということを考えて欲しいです。正しいかどうかではなく、自分なりの答えを出してもらえたらいいなと思っています。
ーー僕も海外留学に行った時カルチャーショックを受けたことがあるので共感できます!では最後に海外に行きたいけれど躊躇っている学生に一言お願いします。
北村 怖いなと思う気持ちはみんな同じです。だからこそ、一度具体的に行動してみてください。やらないで後悔するよりも、やって反省する方がずっといいので、とりあえず考えすぎずに行動することが重要です!そして、悩んでいる子や一歩踏み出せない子に送りたい言葉があります。それが「一思二行(いっしじこう)」です。私が中学生くらいのときに、お坊さんからもらった言葉なのですが、お坊さんからは、普通は1に思って2に考える「一思二考」だけど、あなたは1に思って2に行動の「一思二行」を行いなさい、と言われました。この言葉が今でも私を突き動かしています。
ーー今何かに悩んで動けなくなっている人には響く言葉ですね。まずは悩むより先に行動しちゃえってことですよね?
北村 そうです。もちろん考えることも大事ですが、考えていくとマイナスな部分ばかりが見えてきてしまいますよね。そうじゃなくて1に思って2に行動して、その後どうするか考えるんです!命さえあればなんとかなります!
ーー現在はコロナ禍で、海外進学、留学を明るく考えられない時ですが、こんなときだからこそ、今できることをまず行動してみることが大切になってきますね。北村さん、本日は本当にありがとうございました!
さいごに
関西出身のためか話が面白く、笑顔が素敵な北村さんですが、ガイダンス・カウンセラーという仕事に誇りを持ち、一人でも多くの学生が海外進学という目標を達成するために活動する、熱い想いが感じられたインタビューでした。
考え方に触れて気付きを得ることも多く、グローバル化が進む社会において、北村さんの活動がますます楽しみです。
北村さんへのヨーロッパ進学の相談はもちろん、ウェビナーも開催されていますので、興味のある方はぜひEN Euro EducationのWebサイトを確認してみてくださいね!
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