皆さんは、「寮」と聞いて、どんなイメージが浮かぶでしょうか。
大学の学生寮などは一般的かと思いますが、実は最近、「全寮制」の高校が増えています。
高校生で親元を離れて集団生活をするのは、どんな感じなのか、そして、なぜ今それが注目されているのかについて、解説していきます。
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全寮制の高校とは
全寮制の高校とは、その名前の通り、生徒が親元を離れ、学校の用意する「寮」に入居し、そこから学校に通うことをいいます。
通常、寮には、寮監と呼ばれる監督者が常駐しており、さらには学校の先生も交代で寮に泊まり、生徒の生活の様子を見守ります。
寮に住みながら集団生活の中で人との関わり合い方や生活そのものの在り方を学び、そして学校では一般の勉強を学びます。
寮生活ならではの密な人間関係は、通常の学校生活の中では味わえないような濃密な体験となり、今後の人生を歩む上での大切な基盤となることでしょう。
それゆえ、寮(学校)選びはとても重要です。
なぜ全寮制の学校が増えているのか
実は「全寮制」の起源はイギリスにあるといわれています。
特にヨーロッパを見てみると、授業料が高く、主に富裕層の子供が学校で学ぶ勉強以外に、社交界で必要な知識や教養なども集団生活を通して身につけるといった伝統的な側面が強いのが特徴でした。
そして現在、全寮制の学校が世界的にも、日本的にも増えつつあります。
その背景には、近年の親子関係の在り方も関係しています。
少子化と共に共働き家庭が増え、核家族の中で子育てをしていく流れから、教育のプロフェッショナルに託す流れが主流となったからです。
全寮制の優れている点は、塾のように勉強のみに特化しているのではなく、「実際の生活に則った」社会経験が積めるという点です。
親に依存することなく、生徒それぞれの力で自ら生活をより良くしていこうという構えは、独立心や自主性や社会性を高め、自身の人間性を高めることに繋がります。
もちろん今後社会で活躍していくであろう同級生との密な人間関係というのも、通常の学校ではなかなか味わえないような体験となるでしょう。
つまり、注目されている点は「学力」ではなく「人間力」の育成ということになります。
それと合わせて寮生活で自分に集中することのできる環境というのは、自分の得意分野を極めたり、勉強やスポーツなどにも存分に打ち込んだりすることが出来ます。
そういった点から改めて今、「全寮制」という教育の機能が再評価されているのです。
最近では、インターナショナルな人材を育てる一環として国際色豊かな「ボーディングスクール」も増えてきています。
全寮制のメリット
そんな全寮制のメリットは先ほどにも述べた通りですが、さらに詳しく見ていきたいと思います。
人間性を高める
最大のメリットは、自分の人間性を高めることができるという点です。
その人間性とは何かというと、自立心や自律心、他者との協調性、社会性、忍耐強さ、他人を受け入れる寛容さ、などとあげるとキリがないのですが、要は基本的に社会に出ても通用するだけの力が身につけられると考えられます。
10代で親元を離れること自体が大変なことですが、そんな中で他人との共同生活はときには試練もあり、それでも人は1人で生きることが出来ないため、助け合わなければならないという精神性を学ぶことでしょう。
他人との間に生じる摩擦や葛藤、それを乗り越えた上での絆の構築は、現代日本で問題となっている「ニート」「引きこもり」といった問題の根本解決ともなり得るのではないでしょうか。
濃密な人間関係
学校・寮生活という環境の中での濃密な人間関係は、ほかでは経験できないような特別な人間関係の絆を生みます。
その中で切磋琢磨しあった友人は、生涯の友となるでしょう。
人生の中で、何十年たっても記憶に残り続けることや、友人というのは実はそう多くはありません。
ましてや生涯に渡って付き合っていける人間関係というはとても貴重です。
そして、それを支えてくれる寮監や先生方の存在というのもまた特別でしょう。
一生の中で、これだけたくさんの特別が濃縮されている期間というのも、人生全体をとおして考えた時、本当に珍しく、きっとここでの経験は将来の糧となるのではないでしょうか。
集中できる環境
最後のメリットとして、全寮制の学校はカリキュラムの特色が強い学校もあり、それぞれの校風が色濃く反映されています。
たとえば受験に特化した学校や、スポーツ・芸術に特化した学校など。
そういった学校では、お互い共通の夢や目標を持つ仲間から常に刺激を受けられるので、より一層自分も自分のやりたいことや、すべきことに集中することができるでしょう。
もちろんそういった環境下にいると、自分のスキル向上も期待できます。
また、そういった特化型の学校ではない場合も、多くの場合、全寮制は集団生活ということもあり規律がしっかりとしています。
自分の家ではなかなか親も見過ごしてしまうような生活の癖や、生活上のだらしない点なども改善され、自分のやるべきことが見つかり、それに専念できるというメリットがあります。
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全寮制のデメリット
もちろんメリットがあれば、その反対のデメリットもあります。
それは一体何なのか、掘り下げてみたいと思います。
自由ではない
実はこの全寮制は、起源は古く遡るのですが、その教育システムが現代の個を追求し「自由」を求める風潮とマッチしない部分があります。
当然といえば当然ですが、集団生活を送る上で規律遵守は絶対。
個人の持ち物管理から、生活スケジュールの管理まで、「自由」が制限されます。
10代で1番のびのびしていたい時期でありながら、こういった規律の締め付けは、ときに窮屈に感じ、ストレスを増長させてしまう可能性もあります。
これは全寮制というシステムが、古い教育システムである画一的一斉教育という側面を持っているからです。
ホームシックになる可能性
全寮制学校に入ると、これまで毎日のように接していた家族と会えなくなるので、ホームシックにかかるというデメリットもあります。
また、家族の側からしても、自分の子供が日々成長していく様子をリアルタイムで見届けられないという側面も。
10代という貴重な時代を後で思い返しても、家族と過ごした時間よりも、寮と学校で仲間や先生と過ごした時間の方が長くなり、家族との関係の在り方は後回しとなると、それは本来の親子のあるべき姿なのかと疑問視する声も実際にあがっています。
もちろんそれを乗り越えた上で達する境地というのはあるのですが、この辺りは家族にとっても悩ましい問題であるかと思います。
逃げ場がない環境
また、最大のデメリットとして考えられるのが、いろいろな意味で「取り残される」「ついていけなくなる」可能性があることです。
特に、勉強やスポーツ・芸術など何かの特化した学校においては、もしその分野で力を発揮することができなければ、途端に落ちこぼれとなってしまいます。
それが単に点数の問題や能力の問題ですぐに自分の気持ちの持ちようを変えたり、取り組み方の工夫をしたりすることで改善できればいいですが、一度挫折や劣等感を感じてしまうと、少なからず、そのあとの人間関係の中で自分の身の置き方が変わってきます。
全寮制の学校では、良くも悪くも変化のない人間関係の中にずっと身を置くことになるため、ある意味で逃げ場のない状況となってしまうのです。
また授業の進度についても、学校側はフォローはしますが、基本的には一番下に合わせて進めるというやり方は行いません。
そのため、勉学と人間関係の両面を心配しなければなりません。
まとめ
最後はデメリットの紹介も行いましたが、どんな教育システムも万能ではありません。
しかし全寮制学校は卒業後、そしてその後何十年たった後からも改めて「あの時に経験しておいて良かった」と思えるような深い学びに気がつく時がきっと訪れるのではないかと思います。
全寮制学校に興味のある方は寮の環境や、そこに在籍している先生、そして学校の特色なども含め、しっかり事前に学校説明会や見学会に参加し、決断することをおすすめします。
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