「シュタイナー教育」を聞いたことはありますか?
シュタイナー教育は、一般的な日本の学校と違いが多く見られます。たとえば、テストがなかったり担任の先生が長期間変わらなかったりする点です。
また芸術的な視点から体・心・思考の成長を促し、自立の精神・判断力の成長を目指している点もシュタイナー教育の特徴です。
今回はシュタイナー教育の詳しい特徴や日本でのシュタイナー教育の気になる点をまとめました。
「シュタイナー教育って何?」と、興味のある方はぜひご一読ください。
シュタイナー教育とは?
シュタイナー教育とは、個性を大切にし、個々の能力を最大限に引き出す教育のことです。ヴァルドルフ教育学とも呼ばれています。
哲学者でもあるルドルフ・シュタイナーによって、1919年「自由ヴァルドルフ学校」が創設されました。
現在、シュタイナー教育を実施する学校は、世界60数カ国・1000校以上と広がっています。
日本では、1987年に8人の子どもたちと東京シュタイナーシューレ(現在のシュタイナー学園)が誕生しました。
80年代当時は、海外で芸術や教育を学ぶ若者が増加した時代です。海外への関心の高まりとともに、シュタイナー教育も広がり始めました。
2013年には、シュタイナー学校協会が発足。2022年現在は、北海道から九州までシュタイナー教育を実施している学校があり、幼稚園から小中高等学校まで学べます。
また近年はAI技術の発展もあり、一般的な科目の学習より、個性や思考力を身につける教育が重要視されています。
シュタイナー教育は、現在の時代背景もあり、個性を尊重する教育方法として注目されている教育方法です。
シュタイナー教育の思想
シュタイナー教育は、提唱者のルドルフ・シュタイナーの教育経験と人智学をベースにしています。
従来の知識を取得する学習方法ではなく、個性を活かしながら、自分の判断で自己決定ができる大人になるための教育「自由への教育」を目指しています。
シュタイナー教育の特徴
シュタイナー教育の特徴は、子どもの発達を7年ごとに分けて考える「7年周期」やオイリュトミーやフォルメンなどです。
また、シュタイナー教育を実施する学校では、テストや成績表がなかったり担任の先生も長期間変更しなかったりと、日本の一般的な学校とは大きな違いがあります。
シュタイナー教育の特徴を見ていきましょう。
7年周期
シュタイナー教育は、子どもの発達を7年ごとの3段階に合わせて教育しています。
体・心・思考をバランスよく段階的に育てることで、自立した大人になるための力をつける目的です。
【0歳〜7歳 意志の成長】
体を動かし育てながら、大人の良い行動を真似ることで、将来的な意志や行動力を育てます。
【8歳〜14歳 感情の成長】
想像力が発達する時期に、芸術的なものや体験に触れ、世界は美しいと感じる心や感情を育てます。
【15歳〜21歳 思考の成長】
思考の力が発達する時期は、自分の判断で決定していく力を育てます。
エポック授業
シュタイナー教育では、1時間目を110分として「エポック授業」と呼ばれる授業方法を取り入れています。
基本科目である国語・算数・理科・社会などの教科を3週間前後の期間で集中して学習します。
たとえば、3週間毎日1時間目は国語だけ集中して学び、次の3週間は算数だけ学習するといったサイクルです。
次に同じ科目を学習するまでに期間があくため、忘れた頃に同じ科目を受けることで記憶が蓄積されていく効果が期待されます。
また、エポック授業ではテストがありません。レポート提出や担任との受け応えで評価される点が、一般的な日本の学校と異なる点です。
オイリュトミー
オイリュトミーとは、音楽や言葉に合わせて体を動かすことです。思考と体や心との調和を目指し、社会的な能力の向上を目指します。
リトミックも、音楽に合わせて体を動かす教育方法として有名です。
リトミックは音楽に合わせて体で表現する方法に対し、オイリュトミーは、音楽だけではなく、言葉などのリズムも体で表現する点がリトミックとは異なります。
音楽だけではなく言葉のリズムを感じながら、体で表現することで、バランス感覚や柔軟な思考を養います。
フォルメン線画
フォルメンは、線を書くことで、形の理解や空間のバランス感覚を理解する芸術教育です。
シュタイナー教育を実施する学校では必修科目の一つです。直線や曲線、渦巻きなどの線を書き、運動感覚などを活性化させる目的があります。
フォルメン線画は、図形に触れることで算数の要素を含んでいます。
また、文字の前段階である図形は国語的な要素も含まれるとして総合的な学習内容として取り入れられています。
日本で通う場合の気になる点
日本の一般的な学校と異なり、独特な特徴や教育方法のあるシュタイナー教育。日本でもシュタイナー教育を実施している学校があります。
しかし、一般的な学校と異なるため、子どもたちへの影響や進路など気になる点もあるでしょう。
ここでは、「転校や進路」「学籍」の二つの懸念事項について解説します。
転校・進路の心配
シュタイナー教育は、一般的な日本の学校と学習内容が異なる点が多いため、転校する際は慣れるまでに時間がかかることが予想されます。
また、シュタイナー教育を実施している学校は認定校ではないため、大学進学には高校卒業資格の取得が必要です。
そのため「高校卒業程度認定試験」の合格を目指すカリキュラムを取り入れている学校もあります。
卒業後の進路は、AO入試・推薦入試を利用した大学進学や個性を尊重するシュタイナー教育らしい「自分のやりたいことから進路を決める」生徒が多いことも特徴です。
進学や就職だけに留まらず、留学・海外ボランティアなど、卒業後の進路は卒業生によってさまざまです。
学籍の心配
シュタイナー教育を実施する学校は、公的な学校の認定を受けていません。
そのため義務教育期間中に、シュタイナー教育を実施する学校へ通う場合は、通う予定だった日本の学校に籍をおいておく必要があります。
卒業証書や進路に関連する書類は、籍のある学校から提出してもらうなど、二重学籍の負担があります。
シュタイナー教育とIT
シュタイナー教育では、幼少期にiPadやスマートフォンなどのIT機器の使用を推奨していません。家庭でもテレビはなるべく見ないことが勧められています。
なぜなら、幼少期にIT機器の使い方に精通したりするよりも、自然や両親とのふれあいの中で、判断力や想像力の成長を大切にしているためです。
シュタイナー教育では、幼少期に思考力の土台を作った後の青年期でコンピューターの授業が始まります。
青年期は、社会生活を促し、考力や判断力を強く成長させるために、シュタイナー教育でもコンピューターを使った学習が取り入れられています。
我が子にあった教育を選ぼう
シュタイナー教育は、一般的な知識を習得する教育と違い、子どもの発達段階に応じて個性を活かした教育をしています。
オイリュトミーやフォルメン線画といった代表的な教育方法は、芸術的な視点から、体・心・思考の成長をサポートし、自分で決断できる大人への成長を目指します。
独特な教育方法に馴染むには時間がかかるかもしれませんが、子どもの個性を伸ばしながら、思考力を育てるシュタイナー教育を知っておくことで、子どもにあった教育方法を見つけられる可能性が広がります。
Awesome Ars Academia(オウサムアルスアカデミア)は、プログラミング教育と英語を同時に学ぶことで、グローバルな視点を身につけた人材育成を目指すスクールです。
シュタイナー教育が考える人間の創造性と、私たちの提供するプログラミング教育の提供には、思想的な対立があるようにも思えます。
ただし、「人間が生み出す文明やテクノロジーも、人間に許された行為であるがゆえに、自然の一部である」と考える場合、シュタイナー教育の思想にも、時代に応じてアップデートされるべきところがあるとも考えています。
また一方で、デジタルな世界は、人間の感覚では直接知覚できないものではあるため、発達段階における過剰なデジタル教育は、感性の成長に対してネガティブな要素もありえる、とも考えます。
ただ、私たちAwesome Ars Academiaは、このような多様な教育の思想や人間性に対し、視野広く持って受け入れながら、私たちの提供する教育サービスの価値を常に考え続けているため、受講者の皆さまから信頼をおいていただけるサービスとなっているのではないかと思います。
21世紀の社会状況を鑑みたとき、オンラインで海外と繋がり、自宅にいながらグローバルな視点と洞察力が身につけられる学習は、子どもたちにとってプラスの価値も沢山あると考えています。
ぜひ子どもたちの新しい可能性を見つける教育の一つとして、ご検討いただけましたら幸いです。
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