現在、世界で注目されているSTEAM教育はご存じでしょうか。
日本ではあまり馴染みのない方も多いと思いますが、実はこの教育、アメリカ、イギリス、シンガポール、インドなど世界ではすでに導入がかなり進んでいる新しいカタチの教育方法なのです。
今回は、日本ではまだ知られていませんが、今後確実に広まっていくSTEAM教育について、徹底的に解説していきます。
そもそもSTEAM教育とは何か、STEAM教育を受けてどんなメリットがあるのか、STEAM教育は日本でどのように反映されているのか、など詳しく説明しますので、ぜひ読み進めてください。
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STEAM教育とは
そもそもSTEAM教育とは、どのような教育なのでしょうか。
STEAM(スティーム)とは、「Science(科学)」「Technology(技術)」「Engineering(工学)」「Art(芸術・教養)」「Mathematics(数学)」の頭文字を合わせたものです。
最大の特徴は、この5つの領域を別々の教科として学ぶのではなく、教科の壁を越え横断的に学んでいくということです。
私たちの暮らす実社会は、数学、科学、技術など教科で簡単に分けられるものではなく、複雑に絡みあって社会が成り立っています。
STEAM教育では、そうした社会の仕組みにならって、包括的に、多角的に、かつ実践的にものづくりを体験していきます。
そして、そうした学びの出発点は、やはり子供たちの好奇心です。
知識をただ教え込む従来の「つめこみ式」とは異なり、ものづくりのプロセスで新しい発見をしたり、試行錯誤を繰り返しながら知識を蓄え創造します。
課題を見つけ、クリエイティブな発想で問題解決を目指し、心と体を同時に使って「探求心」と「創造力」を伸ばす生きた教育を可能にするのが、STEAM教育なのです。
STEM教育との違い
STEAM教育と類似する教育的アプローチに、STEM教育があります。
「STEAM」と「STEM」の違いは、いたってシンプルで「A」のArt、つまり、芸術や教養(リベラルアーツ)があるかないかです。
この「A」のArt(アート)をひとつ加えるだけで、学びはぐっと広がり、奥行きが出てくるのです。
その理由としては、絵や音楽、色彩を用いて、自分を自由に表現することで、創造力を培うことができるからです。
そして、その自己表現力と創造力は、ものづくりに生かすことができるので、AIやロボットには真似できない人間だからこそ創造できるものなのです。
それがSTEAM教育の神髄と言えるでしょう。
STEAM教育が重要視されている背景
2000年代、アメリカが国家戦略のひとつとして掲げたことをきっかけに、世界に広がったのがSTEM教育ですが、その後、Artが加わりSTEAM教育となりました。
では、なぜSTEAM教育は世界各国から注目され、多くの学校が早急な教育環境の整備を進めているのでしょうか。
その背景をひも解いていきましょう。
AIやロボットに「使われる」のではなく「使える」人材の育成
今後ますますテクノロジーが進化し、ロボットやAI (人工知能) などの社会進出が当たり前になってきます。
ビルの清掃やデパートの受付にロボットが活躍するなど、私たちの暮らしにもその変化が見られると予想されます。
日本では、今後10年から20年の間に、労働人口の約49%がAIやロボットに変わる可能性がある、と言われていますが、日々変化していく社会の中で求められる人材は、これまでの人材とは大きく変わってくるでしょう。
特に、テクノロジーの知識や技術は、これからの時代を担っていくために非常に大切な能力のひとつになってきます。
AIやロボットに「使われる」のではなく、コンピューター技術を上手に使いこなし、問題を解決していく人材がこれからの社会には強く求められているのです。
新しい技術を生み出す人材が不足している現実
AI時代において、ロボットやAIの得意分野である計算やデータの照合や解析などは、もはや「人間がしなくてもよい仕事」となっていきます。
ここで、人間がすべき仕事はなくなってしまうのか...と不安になった方がいると思いますが、実はそんなことはなく、AIやテクノロジーを生み出すクリエイティブな分野が重要になってくるのです。
つまり、クリエイティブな分野とは、ロボット開発を担うエンジニアや人の感性に響く芸術的センスを兼ね備えたデザイナーといった職種です。
しかし、現在、クリエイティブな分野の人材が圧倒的に不足しています。
その理由としては、人間がAIやテクノロジーの進化の速さについていけないことが背景にあります。
よって、アメリカ率いる世界の教育機関は、国の未来と発展をかけ、多くの国が総力を挙げてSTEAM教育の導入と普及を整備、高い能力をもつ人材の確保・育成を掲げているのです。
AIやロボットにはできない、人間力の必要性
上記の背景に加え、もうひとつ大切な要素を含んでいます。それが、私たち人間が持つ人間らしい「力」の育成です。
AI時代は、AIやロボットと人間が協働する社会です。
AIが得意なことはAI に任せ、私たち人間は、AIやロボットの苦手分野をカバーする時代がやってきます。
そこで必要になるのが、人間らしい「力」です。
仲間をつくる、人の話に耳を傾ける、仲間と学ぶ、考えを交換する、考えを深める、自分を表現する、他を認める、仲間と問題を解決する、そういった人間としての学びや資質が、今まで以上に必要になってきます。
新型コロナウィルスの影響下においても、異業種コラボなどが次々と生まれ、新しい流れを作りだしています。
価値を見出し、新たな文化を築くことができるのは、人間にしかできないことです。
STEAM教育は、子供の探求心や好奇心を出発点とし、ものづくりを通して仲間と協働し、試行錯誤を繰り返しながらも、自分なりの答えを見つけだす、といういわば「正解」が用意されていない学びなのです。
だからこそ、人間らしい力が育成できると注目が集まっているのです。
文部科学省のSTEAM教育に対する方針について
日本政府が策定した人類史上5番目にやってくる新しい社会を 「Society 5.0」としています。
この「Society 5.0」こそ、AIやロボットがさらに活躍する社会です。
文部科学省は、こうした時代を生き抜くためには、「読み書き・そろばん」といった基礎学力同様に、データサイエンスやAIなどの知識が必要不可欠になってくる、と主張しています。
同時に「文章やデータを正しく読む力と対話力」、「科学的にとらえ、吟味活用する力」、「価値を見つけだす感性、探求心や好奇心」を育むことが重要であるとも提言しています。
つまり、今後の日本教育は、文系・理系に関わらず、STEAM教育の導入を推進していく方針なのです。
2020年度からスタートした小学校のプログラミング必修化や高等学校のSTEAM教育の導入、授業動画などを用いた技術の習得など次々と新しい改革が行われていくことでしょう。
STEAM教育の日本での取り組み事例
文部科学省も動きはじめた日本ですが、残念ながら一般的にSTEAM教育が知られている、とはまだまだ言えない状況です。
しかしそんな状況下でも、大学や高校など実際に取り組みをスタートしているところもあります。
ここでは3つの取り組みについて、具体的にみていきましょう。
子供たちの好奇心を伸ばす!STEM教育研究センター(埼玉大学)
2002年に埼玉大学に設置されたSTEM教育研究センターが、STEAM教育を導入しています。
主なプロジェクト『ロボットと未来研究会』では、大学内に地域の子供たちが集まる居場所を用意し、プログラミングやロボット技術などものづくりを一緒に学ぶ機会を提供しています。
教員や教育研究員を目指す教育学部の学生や外部講師などを交え、実践的な学びの場として、活用されています。
ものづくりを通して、子供たちは科学的な知識と体験を手にすることができ、一方で、学生は教員としての資質を高めることができます。
ほかにも、ロボカップジュニアコンテストへの参加や、企業とコラボしてロボット教材の開発なども手がけています。
また、学校などの教育機関との連携にも力を入れています。
理数教育や科学技術教育に力を注ぎ、学校教員と授業づくりを協働したり、出張講義を行ったり、最近の取り組みとしては、新しい学びの場であるフリースクールプロジェクトが2018年に始まったりしています。
大学を拠点に、地域社会を巻き込み、大きな取り組みを見せています。
独自カリキュラムで理数を強化!スーパーサイエンスハイスクール指定校の広まり
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)は、2002年から始まった文部科学省の制度です。
簡単に説明すると、文部科学省が日本の今後の科学技術を発展させるために、理科や数学を積極的に行う中高一貫校や高校に対して、予算面で支援をする制度です。
「理科や数学を積極的に行う」といっても、ただ知識をつめこみ、学力を重視するのでは指定校にはなれません。
指定校となる学校は、支援をもとに、独自のテーマ設定とカリキュラム作成、指導法や教材の開発、大学や研究機関との連携、他校や全国への成果報告など、STEAM教育を含む先進的な教育を積極的に研究、活用していく必要があります。
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)についてより詳しく知りたい方はこちらを読んでいただけると幸いです。
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)とは!指定校とその取り組み
高校生のための祭典!科学の甲子園
2011年に「広げよう科学の輪 活かそう科学の英知」をモットーに、国立研究開発法人科学技術振興機構によって創設された科学の甲子園です。
この「科学の甲子園」とは、筆記試験と実技試験で構成されていて、高等学校の生徒たちがチームを結成し、理科、数学、情報などに関連する問題を解く筆記試験と、科学技術を総合的に活用した実験、実習、考察を競う大会です。
地震波のグラフを読み解いて震源の深さや発生時刻を求めたり、出題された糖の種類を実験によって特定したりするなど、どの問題も難易度が高く、確かな知識と広い活用力が求められます。
全国大会優勝校は、全米大会にも派遣され、各州代表チームと意見交換を行ったり、バックグランドが異なる生徒と交流したりすることで、お互いに刺激を受けることができるのです。
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STEAM教育の海外での取り組み事例
世界の取り組みは、日本よりもかなり先に進んでいます。
特に、STEM教育を世界に広めたアメリカや人材教育に力を注ぐシンガポール、世界的に有名な教育ロボットを提供する中国は、STEAM教育先進国です。
では、気になるその取り組みを、みていきましょう。
STEAM教育の立役者!アメリカの取り組みとは
2011年、オバマ大統領が国際競争力を維持するための国家戦略として打ちだしたSTEM教育ですが、その後、STEM/STEAM教育にアメリカは先陣
ここでは、STEAMに特化した公立校で、教育ドキュメンタリ―映画の舞台にもなった、High Tech High(カリフォルニア州)をご紹介します。
同校は、STEAM教育に重点をおき、アメリカ屈指のPBLプログラム(Project Based Learning; 問題解決型学習)を誇っています。
また、元Google社員が創設し、Facebook創始者のマークザッカーバーグが多額出資したことで話題になった、Altschoolも注目を集めました。
EdTech(いわゆるeラーニング)を活用し、子供ひとりひとりの学力や興味・関心に合った学びの選択を重視することで、生徒一人一人の学びを最大化することができるのです。
シンガポールは総力を挙げての国家事業!
1965年の独立以降、人材こそが最大の資源であるとし、国家戦略として「教育」を重要視してきたシンガポールですが、STEAM教育の前身であるSTEM教育に早くから力を注いできた国のひとつです。
国内最大級のサイエンスセンター(科学館)が、STEAM教育の推進を図っており、2014年には、政府の協力を得てSTEM Inc(ステムインク)を起ち上げました。
STEM Incは、全ての中学生にSTEM教育を提供する組織で、STEM教育の専門家(修士号や博士号保持者)が、中学校と協力しながら、質の高い授業を展開しています。
授業内容としては、プログラミングをはじめ、食品生産科学や環境科学など、分野は多岐に渡ります。
身の回りのモノを題材とし、学んだ知識やスキルを実社会に直結させるのが、シンガポール流です。
2023年までには、全ての小中学校で、プログラミング、ロボット工学、3Dプリンティングなど、最新のSTEM教育を導入すると主張しています。
教育ロボット教材で一躍有名に!中国のMakeblock社
中国のSTEAM教育を先導しているのが、Makeblock社です。
2013年に設立されて以来、学校や家庭向けにロボットやソフトウェアの提供サービスを展開し、中国のSTEAM教育の中心的役割を担っています。
その名を一躍有名にしたのが、教育ロボットの「mBot」と「Codey Rocky」です。
「mBot」は、金属パーツを組み合わせながらロボットを制作し、プログラミングすることで、動く構造まで学ぶことができます。
また、「Codey Rocky」は、プログラムの自由度が高いのが特徴で「次世代レゴ」との呼び名が高いプログラミングロボットです。
難しい組み立ては不要で、音声認識や顔認識などのAIを楽しく体験できます。
Makebolck社は、エジソン賞・ゴールド、ドイツのIFデザイン賞、日本のグッドデザイン賞など、国際的な賞を数多く受賞し、世界から注目を浴びています。
教育とテクノロジーのより深いレベルでの融合化を目指し、国際的なロボットコンペも提供しています。
STEAM教育の事例について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
STEAM教育に適した教材
STEAM教育の概要や日本の取り組み、世界の取り組みをみてきましたが、実際にどのような教材を使って、STEAM教育をしていくのでしょうか。
ここでは、ご家庭でもできるプログラミング教材やロボット教材を年齢別に3つご紹介します。
STEAM教育に興味はあるけれど、民間の教室に通わせるのはちょっと…という方も、まずはお試し感覚で学んでみてはいかがでしょうか。
カードでピピっと はじめてのプログラミングカー(未就学児~)
学習教材で有名な学研から出ている『カードでピピっと はじめてのプログラミングカー』です。
2018年に日本おもちゃ大賞を受賞した教材で、就学前の子供たちがプログラミングに楽しく触れられるように設計された、カードをかざすだけで遊べるゲームです。
遊び方は簡単で、まず地図を使ってゴールを決め、ゴールまでの通り道を前もって考えます。その後、道順どおりに車が走るように、命令(カード)を読み取らせ、車を走らせます。
このゲームをすることで、プレイヤー(子供)は「論理的に考える力」と「物事を追求する力」が自然と身に着きます。
EV3 for home(小学生・中学生向け)
世界的に有名なレゴから発売されている『EV3 for home』は、小学生・中学生向けのちょっと本格的なロボットプログラミング教材です。
ロボットを組み立て、プログラミングを行い、実際にロボットを動かすことができます。
ロボットは、レゴブロックを使っているので組み合わせ自由で、自分だけのオリジナルロボットを作れます。
ロボットを組み立てる「創造力」やロボットが思い通りに動くようにするための「論理的思考」、何度も繰り返すことで得られる「問題解決力」が身に付くとても優良な教材です。
ワークブック付きなので、プログラミング初心者に優しくできており、それぞれの課題には、難易度も記されていて、学習を進めやすくなっています。
mBot Ultimate2.0(高校生~上級者向け)
『mBot Ultimate2.0』は、先ほども登場した中国のMakeblock社が提供するロボット教材です。
本格的な教材を探している人におすすめです。
パーツはおよそ80種類で1つのキットから、10種類以上のロボットの組み立てが可能です。
プログラミングは、初心者用のブロック式と本格的な言語を使用したArduino式の2種類で、Ultimate2.0の最大の特徴は、多様なセンサと幅広いモーター制御機能が備わっており、かなり本格的かつ精密なロボット製作が可能な点です。
ちなみに、mBotシリーズは年齢に応じて、mBot(8歳以上対象)、mBot Ranger(12歳以上対象)などが展開されています。
初心者向けのmBotは、組み立ても非常にシンプルで、レベルに合わせて選んでいくのがいいでしょう。
STEAM教育を受けられるスクール3選
最近では、プログラミングやロボット教材などを使い、STEAM教育を取り入れるスクールも増えてきています。
ここでは、幼児用の通信教育、お子さま向けスクール、本格的に学べる大人向けスクールの3つをご紹介します。
気になるスクールは、資料を取り寄せたり、問い合わせをしたりしてみてください。
【幼児~小学中学年向け】 体験型通信教育WONDERBOX(ワンダーボックス)
WONDERBOXは、実際に通う教室ではありませんが、STEAM教育を実践する体験型通信教育です。
2020年4月から始まった新サービスで、定期的に届くキットと専用アプリで、学習を進めていきます。
キットは月1回届き、中身は「ワークブック」「トイ」「ビックペーパー」の3点が内包されています。
「ワークブック」はドリルのようなものですが、自分でオリジナルの問題づくりも体験できます。
「トイ」は、子供たちが手を動かして遊べる「素材」と「問題シート」のセットで、素材を使って問題をクリアしていきます。
「ビックペーパー」は、B1サイズの巨大迷路で、迷路を進めていくうちにミニクイズなどが隠されているので、すみずみまで楽しめることができます。
また、従来の通信教育と大きく異なるのが、デジタルコンテンツである専用アプリです。
プログラミングはもちろんのこと、デジタルを生かした教材が多数揃っています。
1ヶ月単位で内容が変わるだけでなく、週ごとにテーマやルールが追加されるので、飽きることはありません。
【小学生向け】 STEM教育と探求型学習がベースSTEMON(ステモン)
株式会社ヴィリングが運営するSTEMONは、小学生向けの学習を提供しています。
STEM教育コースは、「ベーシック」(小学1年生から対象)と「アドバンス」(小学2年生以上対象)の2つです。
さらにプログラミングに特化した「プログラミング&ロボティックコース」(小学3年生以上が対象)も用意されています。
STEMONのカリキュラムは、プログラミング教育ソフト「Scratch」の開発にも関わってきた石原正雄氏が考案され、世界中から常に最先端のものを取り入れた教材です。
特徴的なのが探求型学習で、理科や算数などの教科間の壁を超え、横断的に学ぶ手法です。
知識を身につけたあとは、その知識を生かして「つくる」作業へ移行し、組み立ての説明書は使わず、子供たちの創造力を育んでいきます。
また、協調性や協業力を育成するために、少人数制のレッスンにもこだわっているのが特徴です。
【小学生〜高校生向け】Awesome Ars Academia(オウサムアルスアカデミア)
グローバルIT専門学校を展開しているAwesome Ars Academiaは、「英語」と「IT」の習得を掲げる大人向けのスクールです。
海外IT企業へのキャリアアップを考えている人やプログラミングを勉強したい人におすすめです。
特徴としてあげられるのは、IT開発会社が手掛ける「英語×IT×プログラミング」を学べる「IT留学」です。
STEAM教育理念のもと「反転授業」と「プロジェクトベースドラーニング」をカリキュラムに取り入れています。
「反転授業」は、予習ありきの学習法で事前に知識を予習で学習し、授業ではアウトプットに重点をおくアプローチです。
予習をする中で出てきた疑問を実際の授業で解決していき、それによって学びはさらに深いものとなっていきます。
また、プロジェクトベースドラーニング(問題解決型学習)は、答えを自分で見つけ出していく学習法です。
ITやエンジニアの世界では、実践こそが上達の近道!知識を活用し、実践をくりかえし、課題に取り組む姿勢を育てていくことを大切にしているスクールです。
実際にAwesome Ars Academiaでは、大学生・社会人向けの「IT留学」、小学生〜高校生向けの「英語で学ぶオンラインプログラミング講座」を提供しています。
ご興味がある方は、まずスクール説明会に参加してみてください!
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STEAM教育に関する日本の課題点
STEAM教育を導入する教材や教室が少しずつ増えてきていますが、今後日本でさらなる普及が求められる中、次のような課題があげられると予想されます。
IT環境の整備
まず「IT環境の整備」です。
STEAM教育は、従来の教育スタイルのように、黒板を使うわけではありません。
ロボットやパソコンに触れるなどの体験を通して、学ぶことが必要不可欠です。
しかし、日本の学校では、インターネット環境が整っていなかったり、児童や生徒一人ひとりにパソコンが提供できなかったりと、整備が追いつかない状態です。
STEAM教育普及のためにも、IT環境の整備は、早急に解決しなくてはなりません。
専門知識をもった指導者数
また、「専門知識をもった指導者数」も、大きな課題の一つです。
STEAM教育に求められるプログラミング能力やものづくりの知識、技術はどれも専門性が高く、指導できるレベルになるには相当な知識と経験が必要です。
指導者となる人材を育成することも急務といえるでしょう。
STEAM教育の注目度の低さ
最後に、「STEAM教育そのものの注目度の低さ」です。
世界では、プロジェクトが新規で立ち上がったり、国家総力をあげて教育施設や研究センターが増設されたりしています。
しかし、日本の認知度はまだまだ低く、一般的に広く知られていないのが現状です。
もっともっと認知度を上げ、国民が声をあげていく必要があるでしょう。
求める声が大きければ大きいほど、整備も進み、広く普及していくはずです。
国内STEAM教育のこれから
日本の課題を踏まえ、これからのSTEAM教育はどのように進んでいくのでしょうか。
その答えはやはり、国家である文部科学省の働きにあるでしょう。
上記で説明したように、国はこれからの社会を、第5の新しい社会 「Society(ソサエティ)5.0」 としています。
そして、そうした社会を生き抜く人材を育成するためには、「教科横断的なSTEAM教育を推進する必要があり、そのためには、『総合的な学習』や『理数探求』などの学習活動を充実させる必要がある」と提言しています。
つまり、「課題を自分たちで設定し、それに関して全教科で学んだ知識をフル活用し、解決していく活動を増やす」ということを断言しています。
それにともない、教科担任制の導入や年間授業数の見直し、また、世界最速の通信ネットワークの開放や、遠隔教育の推進、地域や大学などとの連携も視野に入れています。
こうした流れから、従来の授業スタイルから、新しい教育スタイルへと大きく変容していく可能性があります。
近い将来、少人数制のクラス編成、オンライン授業などよりSTEAM教育を重視した学校が増えることが予想されます。
まとめ
新しい時代を生き抜くための新しい教育アプローチであるSTEAM教育の全体像と学ぶメリットが理解できたのではないでしょうか。
日本でSTEAM教育が普通となるのは、まだまだ時間はかかるかもしれませんが、今後、日本の教育も大きく変わっていくでしょう。
インターネット環境が整備され、オンライン授業や授業動画の普及が進み、STEAM教育のような教科横断型学習による学びが主流になる世の中へと変わった日本人は、今度どんな人材に育っていき、どんな社会になっていくのか、そうと考えると、何だかわくわくしてきませんか。
みなさんも、新しい時代に乗り遅れないように、これからも、STEAM教育の動きに注目してくださいね。
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