「生涯学習」という言葉をご存知でしょうか?
人生100年時代と言われる昨今、生涯学習が注目を浴びるようになってきています。
今回は、生涯学習について詳しく解説していきます。
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今、注目されている「生涯学習」とは
生涯学習とは文字通り、生涯にわたって行う学習活動のことをいいます。
学習を単に座学の勉強として捉え、勉強=学校というイメージがあると、この生涯学習という言葉はなかなかピンとこないかもしれません。
しかし、私たちはさまざまな場面で日々学習し続けています。
生まれるとまず家庭を中心とした学習を始め、やがて学校での学習をするようになります。
社会に出てからも、人と人との関わり合いの中で多くのことを学習します。
学校を出た後の学習は主に仕事に関わるものや、豊かで充実した人生を送るために続けるもので、これらは私たち一人ひとりの生きていく姿そのものに直結してくるともいえるでしょう。
文部科学省の公表している「文部科学白書」の中では、この生涯学習を「人々が、生涯のいつでも、自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が適切に評価される」と位置付けています。
そのため、学校教育に留まらず、社会教育、文化活動、スポーツ活動、レクリエーション活動、ボランティア活動、企業内教育、そして趣味までも、人と関わる、あるいは自己研磨に励むいう観点において、「生涯学習」と呼ぶことができるのです。
今、生涯学習が注目される背景・理由
人生100年時代に突入
「生涯学習」が注目されるのは、これまでにない超長寿社会を迎え、人生100年時代に突入したという背景があります。
例えば60代でこれまでの仕事を定年退職し、それでも後20年、40年を生きられるとなると、残りの自分の人生をどう生きるのかが重要になります。
一般的に働き始めてからは、一日の大部分を職場で過ごし、人生のほとんどの時間を仕事に使います。
しかし、もしそれがなくなったら?
会社に行かないからといって、残りの人生、家にずっと1人閉じこもって何もしないで過ごすという風にはいられません。
人生が長いからこそ、これまでよりも一人ひとりがその可能性を最大限に引き出し、豊かな人生を送ることができるように、誰もが学び続けることが重要なのです。
社会の変化に対応するため
そしてもう1つの理由は社会の変化に対応するためです。
社会・経済は常に流動的に変化し続けます。
そのため、私たちは絶えず新しい知識や技術の学習を続けていかなくてはなりません。
学び続けることは、個人の知識を深めたり、技能を身につけたりするだけでなく、社会全体にとっての人材育成にもつながります。
それは結果的に、社会や経済のさらなる発展にも寄与します。
また、学習機会を増やしていくと、それだけ多様な学びの場ができ、それと共に評価する場も多様化します。
そうすることで、一元的な「学歴」という物差しだけで評価するだけではなく、個々の特性を活かした、さまざまな学習の成果を適切に評価される世の中が期待できるでしょう。
どんな活動をする?生涯学習の分野別活動例
学校教育
学校教育の中で、特に小学校・中学校段階の義務教育期間においては、生涯にわたる学習を行うために必要な基本的能力と、自ら学ぶ意欲や態度を育む点で重要な役割を担っています。
高校になると、学ぶ内容が発展的なものになると同時に、複数な問題をさまざまな視点から考え解決したり、それを表現したりすることが増えます。
学校教育の目的は、教科書を通した知識の習得だけでなく、自己教育力、正しい勤労観・職業観、職業生活に不可欠な基礎的知識・技能の育成などもあげられます。
生涯学習は、学校教育を基盤として展開されるのです。
家庭教育
一方で、家庭での教育も重要な位置を占めます。
子供にとって親は一番身近に接する「大人」であり、親の存在から社会を学び、それがそのまま子供の価値観となっていきます。
残念な点としては、以前まで拡大家族で祖父や祖母、さらには近所の人からも学ぶ機会があったのに対し、現在では核家族化が進み、地域間・世代間のつながりが気薄になっていることです。
本記事をご覧の学生がいましたら、ぜひ祖父や祖母と積極的に話してみて、多くのことを学ぶことをおすすめします。
また、お子さんをお持ちの親御さんはぜひお子さんが祖父祖母と話す機会を作ってあげるといいでしょう。
社会教育
社会教育は、学校教育と異なり人々の学習ニーズに即した幅広い学習内容を持っています。
例えば、社会教育施設での公民館や図書館、博物館、青少年教育施設での学習です。
ここでは家庭や学校の外で、児童から青年、成人、高齢者に至る全ての年齢の人が学習や研修、スポーツ、趣味などを楽しむ機会が提供されています。
また、これらの施設は、地域コミュニティの観点からも重要な役割を担っています。
企業内教育
企業内教育においては、まず実務や技能を高める学習があります。
これは働く中で必要な知識や技能のアップデートを目的としています。
また最近では、OAシステムや外国語講座、リーダーシップ論などの専門的分野の学習ができる機会が設けられているところも珍しくありません。
これらの学習は特定の会社のみで発揮される力ではなく、それ以外の場所でも幅広く活躍できる汎用性の高い能力です。
個々の力を高めることは、結果的に企業においても優秀な人材を増やすことにつながりますし、社会全体にとってもプラスとなります。
その他の活動
ほかにも、セミナーに参加したり通信講座で資格を取ったりする人も最近は増えてきています。
習い事はもちろん、趣味のサークルなんかも広い意味では生涯学習といえるでしょう。
これらの学習は、テストで100点をとって褒めてもらうのを目的とする学習とは、全く性質の異なるものです。
「自分がしたいからする」といったもっと個人的な動機です。
人から押しつけられて始める学習ではなく、自ら率先してする学習だからこその楽しみがそこにはあるはずです。
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生涯学習の歴史
日本で生涯学習という言葉が使われたのは、昭和30年代の高度経済成長期以降になります。
社会が急速に発展し、それに対応すべく教育のあり方を見直す必要があったからです。
そして昭和41年に中央教育審議会は「学校中心の教育観にとらわれて社会の諸領域における一生を通じての教育という観点を見失ったり、学歴というという形式的な資格を偏重したりすることをやめなければならない」との答申を発表し、昭和56年についに「生涯学習」という言葉が打ち出されました。
また、この昭和40年代の動きは、同じ頃ユネスコの成人教育推進国際委員会で「生涯教育の構想」が出されたことと連動しています。
生涯学習社会とは
「生涯学習社会」は、教育基本法第3条によれば、
国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。
と定義されています。
わかりやすくいうと、下記の2つの要素が合わさった社会を生涯学習社会と呼びます。
- 生涯のいつでも自由に学習機会を選択して学ぶことができる
- 学んだことや成果が正当に評価される
日本では、いまだ学歴を過大評価してしまっているところがありますが、生涯学習社会では「何を学んできたのか」「どんな能力を身につけたのか」などの内容面を重視します。
生涯学習社会を目指すことが学歴社会の弊害を解決することに繋がるのです。
どこで学べばいい?生涯学習の学びの場
生涯学習センタ-
生涯学習センターとは、地方公共団体や大学などが置く生涯学習施設のことを指します。
生涯学習センターでは社会教育施設同様に、よりよく生きるための知恵と力を身につけるために学習・文化活動を幅広く営むことができます。
また、グループ・サークル活動なども活発に行われており、講師の方がやってきてカルチャー講座なども定期的に開催しています。
習い事を始めようと思っても、「何をはじめていいかわからない」「教室探しが大変」という方は、生涯学習センターへ行けばそのヒントが見つかるかもしれません。
文化的教養から趣味、サークルまで、あらゆる学習の機会に触れるチャンスです。
地域によってはコミュニティーセンター、カルチャーセンターという施設がありますが、これらも機能は生涯学習センターと同じです。
小学校・中学校・高校
最近では、小中高で「学校開放講座」を実施する学校が増えてきました。
学校開放講座とは、学校の持つ教育機能を活用して、地域社会の学習機会を拡充するものです。
外部から講師を呼ぶこともありますが、その学校で働く先生方の専門知識でもって講座を行うこともあります。
地域の学校に実際に足を運ぶことは、その地域の教育力を知ることにもつながります。
しかし一方で、セキュリティ面での不安を懸念する声も多く上がっており、実施に関しては地域の実態をよく鑑みる必要があります。
大学・短期大学
生涯学習の理念にいち早く賛同し、取り組みに積極的な高等教育機関では、年間を通して市民開放講座を行っており、その教育力を地域に還元しています。
多くの方にとって、幅広い分野の知識や教養に触れられる絶好の機会となっており、さらにほとんどの講座が無料であるため、気軽に参加することができます。
講座の中には、自治体や非営利団体と共催の講座や、教授自ら特別に用意したカリキュラムの講座などがあります。
これらを無料で受けられるのは、ものすごく贅沢なことですよね。
現役大学生の参加も多く、人気の講座はすぐに予約が埋まってしまうため、事前申し込みは必須です。
また、アメリカのハーバードやマサチューセッツなどの名門大学では、生涯学習の理念のもと、希望者全員にオンライン授業を無料で配信するなどの取り組みも始めました。
こういった考えは今後日本でもっと広まっていくと予想されます。
その他の学び場
日本ではあまり馴染みがありませんが、海外では教会も生涯学習の場としては非常に有効で、信仰の有無を問わず、さまざまな人に教育の機会を無料で提供しています。
「社会から孤立させない(社会との繋がりがある状態にする)」ことや「学ぶことで自分の内面が充実する」ことが人生全体を充実させるために重要であるとし、積極的に奉仕活動を行っている点は、生涯学習の理念に通じる部分があるといえます。
さらにいえば、実はどこでも学びの場となり得るのです。
例えば、週末に催事が頻繁に行われているショッピングセンターや駅、地下鉄のコンコースもそうですし、企業のPRブースもそうでしょう。
また、ひとたび街を歩いてみれば、まだ自分の知らないもの、知的好奇心をくすぐるものであふれています。
結局のところ、それをキャッチするかしないかは私たち次第なのです。
好奇心を持ち続け、さまざまなことに興味を抱くことができれば、どこにいても学び続けることができます。
日頃から興味のアンテナを常にはっておくことが生涯学習をしていく上で重要となるでしょう。
生涯学習における学習成果の評価方法
さて、次に生涯学習の評価方法についてみていきましょう。
実は、生涯学習にはまだ厳密に数値化された評価方法があるわけではありません。
なので、生涯学習における学習評価は自己評価が原則とされています。
「生涯学習パスポート」と呼ばれる、これまでの活動を全て記録できる手帳もありますが、これはそれぞれの活動が厳密に数値化されているものではありません。
先ほどもお話ししたように、生涯学習社会には下記2つの要素が必要です。
- 生涯のいつでも自由に学習機会を選択して学ぶことができる
- 学んだことや成果が正当に評価される
他者の論理的判断による客観性のある評価は、学習者が学習成果を社会に示す際に必要不可欠なので、学習成果を正当に評価する仕組みの整備が今後ますます重要と予想されます。
生涯学習に関連のある「リカレント教育」とは
リカレントとは、「反復、循環、回帰」という意味です。
文部科学省によると、リカレント教育とは学校教育を人々の生涯に渡って分散させること、とされています。
人生100年時代では、従来の人生モデルは通用しなくなります。
常に時代や社会の変化に合わせてスキルを身につける、アップデートする必要があるのです。
こうした背景から「リカレント教育」が今、注目を浴びています。
一度社会人になった後、自分が必要だと思ったタイミングで再び学び直すことで、自分が学ぶべき分野や物事を明確にした上で、効率的な学習を進めることができます。
また、そういった学習は、新しい知識を身につけることでの自身のキャリアアップや、会社内での活躍につながります。
スウェーデンなどの国では教育休暇法といって、勤務歴2年以上の労働者には教育訓練のための休暇と仕事復帰の権利を保障する法律まであるほどです。
もちろん社会のシステム自体が日本とは全く異なりますので、これをそのまま当てはめることは不可能ですが、今後はこういった考えが広く浸透していくことは間違いないでしょう。
まとめ
生涯学習という言葉自体は古くからありますが、特にここ近年そのあり方が問われてきています。
2020年は、教育界でもさまざまな動きがあり、いよいよ社会の枠組みが大きく変わるとき。
ぜひ、あらゆることに興味をもち、自ら進んで学習していける人材を目指していきましょう。
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