グローバル社会の昨今、海外の大学に入学し、国際社会で活躍したいと思う方、または子供にそうなってほしいと願う保護者の方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、海外の大学に入学するのに必要な国際バカロレアという資格を紹介したいと思います。
そもそも国際バカロレアとはなんなのか、国際バカロレアの資格を取得すればどういったメリットがあるのか、国際バカロレアの現状や今後の課題をまとめてみましたので、ぜひ読み進めてください。
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国際バカロレアとは?
国際バカロレアとは(International Baccalaureate )は、一言で言うと、世界各国で通用する資格です。
よく英語の頭文字を取って「IB」と言われていますが、国際バカロレアの特徴は大きく2点あります。
1つ目は、国際バカロレアを取得すると、海外の多くの大学に入学志願できるようになり、現在、世界では2万校以上の大学が国際バカロレア機構の資格を入学条件に定めています。
2つ目は、世界各国の入学志願ができるだけではなく、1つの教育プログラムになっていて、世界で幅広く活躍できるための学力や知識、思考力を身につけるための内容になっています。
つまり、国際バカロレアとは、プログラムを学び、世界で活躍できる力を身につけながら、海外の大学入学に志願できるという点で、非常に魅力的な資格なのです。
国際バカロレアの目的
国際バカロレアは、1968年スイスで設立された非営利組織です。
もともとこの資格は、外交官や国際機関で働く人の子供たちが、母国の大学に進学しやすいように開発されたプログラムで、特定の国の制度や内容に偏らないように世界共通の大学入試と成績証明書を与えるものでした。
さらにそのプログラムは、平和な世界を築くために貢献する人材の育成を目的としています。
現在のグローバル社会では、ビジネスなどで本国に居を構えていない家族がたくさんいますが、そのような家庭に向けて考え出されたプログラムだと考えるとわかりやすいです。
国際バカロレアの教育プログラムを受けるメリット
では、なぜ国際バカロレアの資格を条件としている大学が世界各国にあるのでしょうか。
また、なぜこれほど世界で認知されているのでしょうか。
それはこの教育が受験者と大学側双方にメリットがあるからです。
では具体的に、国際バカロレアの教育を受けるとどのようなメリットがあるのか、みていきましょう。
海外の大学入試に有利
まずは何といっても海外の大学入試に有利に働きます。
2万校以上の大学が国際バカロレア機構の資格を入学条件に定めているので、世界の名だたる大学に入学しやすくなります。
そして、特にこの制度が広く普及しているのがアメリカです。
有名なハーバード大学やイエール大学では国際バカロレアの成績を入学資格として、合格判定に加味しています。
また、アメリカの主要大学の合格率は、国際バカロレアの取得者の方が高いというデータもあり、アメリカの有名大学を目指している方には特におすすめの資格です。
さらに、国際バカロレアで得た単位を大学単位として認めてもらえたり、奨学金や就職先にも有利になったりすることが多いです。
もちろんエッセイ試験や面接があり、成績証明や推薦状などが必要なので注意しましょう。
実生活で活かせる思考力や人間力を身につけられる。
国際バカロレアのプログラムを取得すると、実生活で活かせる思考力や人間力を身につけられると言われています。
まず、国際バカロレアの資格(後述するDiploma Programme)を得るためのプログラムは、母国語、第二言語、社会、理科、数学、芸術の6つの各グループから1教科ずつ選択し、2年間で習得します。
その他に、
- EE:Extended Essay(自分が研究した成果をまとめる課題論文)
- TOK:Theory of Knowledge(知識の本質について探求する授業)
- CAS:Creative/Action/Service(ボランティア活動などの体験学習)
という3つの必修科目を受ける必要があります。
日本では先生の授業を聞いて、知識を習得していく学び方が一般的だと思いますが、バカロレアのプログラムでは、授業内容は大きく異なります。
バカロレアのプログラムでは、知識をつめこむのではなく、自発的に考え、「異文化への理解力と寛容力を持ち国際社会の一員として自覚と責任を持つこと」と「プレゼンテーションなどを通じ、思考力と表現力コミュニケーション能力を高めること」に重点が置かれているのです。
日本にいながら国際バカロレアのプログラムを受けられる
国際バカロレアの認定を受けている学校は、世界150以上の国・地域において約5000校です。
国際バカロレアのプログラムを受けるには、「アメリカやイギリスの学校に入学しなくてはいけないのか」というとそうではありません。
実は、日本でもプログラムを受けることができるのです。
昨今日本でも注目されてきており、2020年現在、日本の認定校は150校あります。
日本にいながら、国際バカロレアのプログラムを受け資格を取得し、その後は海外の有名大学へ進学するということが可能なのです。
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国際バカロレアが注目された背景
前述したように、国際バカロレアの認定を受けている学校は、世界150以上の国・地域において約5000校です。
さらに、2万校以上の大学が国際バカロレア機構の資格を入学条件に定めています。
ここから推測できるように、国際バカロレアが注目されたのは、グローバル化が背景にあり、国際化が急速に進みにつれて企業活動や研究活動が国境を超えることがあたりまえとなってきたからです。
今後も国の枠を超えたグローバルなプログラムとして、ますます導入する学校・大学が増えていくことが予想されます。
国際バカロレアの4つの教育プログラム
国際バカロレアは、年齢に応じた4つの教育プログラムを用意しております。
- 3〜12歳:PYP(Primary Years Programme)
- 11〜16歳:MYP(Middle Years Programme)
- 16〜19歳:DP(Diploma Programme)
- 16〜19歳:IBCP(Career-related Programme)
PYPは小学校、MYPは中学校、DPとIBCPは高校といったようなイメージをもてばわかりやすいと思います。
では、それぞれどのようなことが学べるのか、具体的にみてみましょう。
PYP(Primary Years Programme)
PYP(Primary Years Programme)は、生徒の精神と身体の両方を発達させることを重視しているプログラムです。
PYPのカリキュラムは、国際教育において不可欠とされる人間の共通性に基づいた下記6つのテーマが中心となっています。
・私たちは誰なのか
・私たちはどのような時代と場所にいるのか
・私たちはどのように自分を表現するか
・世界はどのような仕組みになっているか
・私たちは自分をどう組織しているか
・この地球を共有するということ
これらのテーマを取り組みつつ、下記の6教科を学習します。
- 言語
- 社会
- 算数
- 芸術
- 理科
- 体育
PYPにおける授業スタイルは、一貫して「探求型」のスタイルをとっています。
教師は一方的に答えを教えることはせず、課題を生徒に与え生徒自身による調査やディスカッションの中で自分なりに答えを見つけ出すように誘導していきます。
小さい頃から自分で考え動くという癖を身につけさせることで、自立性のある生徒を育成させているのです。
MYP(Middle Years Programme)
MYP(Middle Years Programme)では、以下の8教科を学習するプログラムになっています。
- 言語と文学
- 言語の習得
- 個人と社会
- 理科
- 数学
- 芸術
- 保健体育
- デザイン
5年間を通じて、全ての生徒が上記の教科に取り組みます。
さらに、教科では学べない下記5分野のAOL(Areas of Interaction)を重要視しています。
- 学習の姿勢
- 人間の創造性
- コミュニティと創造性
- 多様な環境
- 保険教育と社会性の教育
勉強した内容と実生活とのつながりを重視した学習をすることで、生徒自身の「つながり」をより実践的に行っているのも特徴的です。
つまり、MYPの最大の魅力は「学んだ知識が実生活につながる瞬間をみつける」ということです。
生徒自身が「この勉強は実生活でこういうふうに使えるのか」と好奇心を掻き立てられ、勉強の面白さに気づき自ら進んで学習していきます。
DP(Diploma Programme)
DP(Diploma Programme)とは、2年間にわたるカリキュラムが組まれたプログラムで、最終試験で定められた成績を収めることで、国際的に通用する大学入試資格の国際バカロレア資格を取得することができます。
逆に今までPYPやMYPのプログラムを受けた方でも、DPのプログラムを受け最終試験で合格しないとバカロレアの資格を取得できず、大学の入学資格を受けられません。
国際バカロレアを受講する方の最終目標がこのDPを学び、最終試験に合格するということでしょう。
詳しいカリキュラムの内容は後述しますが、内容はかなり難易度が高く、例えばカリキュラムに論文があるので、日本でいう大学生レベルの難易度となっています。
IBCP(Career-related Programme)
IBCPは、16~19歳までを対象とした学問と職業体験を両立したプログラムで、生涯のキャリア形成に必要なスキルの習得を重視します。
生徒は、DP(後に説明)の科目のうち、少なくとも2科目を選びます。
CP最大の特徴は、選択科目を学習すると同時に、それに関連した実地体験や職業体験を行うところです。
実地体験、職業体験をすることでよりリアルな学習ができ、卒業後その分野の大学や職業に就く人も多いようです。
DP(Diploma Programme)について
国際バカロレアディプロマプログラム(DP)の科目
では、DPの科目についてみていきましょう。
DP(Diloma Programme)とは、母国語、第二言語、社会、理科、数学、芸術の6つの各グループから1教科ずつ選択し、2年間で習得します。
それぞれのグループの教科は下記のようになっています。
- 母国語:文学、言語と文学、文学と演劇
- 第二言語:英語、フランス語、スペイン語 等
- 社会:ビジネス、経済、地理、グローバル政治、歴史、心理学、環境システム社会、情報テクノロジーとグローバル社会、哲学、社会・文化人類学、世界の宗教
- 理科:生物、化学、物理、デザインテクノロジー、環境システムと社会、コンピュータ科学、スポーツ・運動・健康科学
- 数学:数学スタディーズ、数学SL、数学HL、数学FHL
- 芸術:音楽、美術、ダンス、フィルム、文学と演劇
教科によっては、多くの分野を学ぶことができます。
選択した教科がそのまま最終試験となるため、教科選択は非常に重要です。
国際ディプロマ(DP)取得のために必要な課題
上項で述べた6教科以外にも、実は必修のコア科目が3つ必要となります。
それが以下の科目です。
- EE:Extended Essay(自分が研究した成果をまとめる課題論文)
- TOK:Theory of Knowledge(知識の本質について探求する授業)
- CAS:Creative/Action/Service(ボランティア活動などの体験学習)
これらは、探求型学習と全人的教育を強調する、国際バカロレア教育の中心的学習といえます。
では、上記について具体的にみていきましょう。
EE
英語から翻訳-拡張エッセイは、国際バカロレアのための最大4000語の研究論文であり、学生が興味のあるトピックについて独立した研究または調査を行う機会を与えます。
知識の理論、そして創造性、行動、奉仕活動への参加のように、拡張エッセイはIBディプロマを授与するための必須の前提条件です。
EE(Extended Essay)とは、履修科目に関連した研究論文を意味し、生徒自身でテーマを選び、選んだテーマをもとに論文を書いていきます。
論文は英語の場合4000ワード以内、日本語の場合8000字以内に収めなくてはならず、その上限を超えてしまうと減点の対象となります。
大学の卒業論文のようなことを高校年代で行うので、学習レベルが非常に高いといえます。
TOK
TOK(Theory of Knowledge)とは、知識の本質について探求する科目です。
授業内容はレポートや課題をこなして、それをもとにプレゼンテーションやディスカッションをする形が一般的です。
この科目は主に、批判的思考を培い、生徒が自分なりのものの見方や、他人との違いを自覚できるよう促すことを目的としています。
CAS
CAS(Creative/Action/Service)とは、さまざまな種類の課外活動やボランティアを行い、他者と共同で動くという実践活動をする科目です。
こちらの科目は最終試験の評価になることはありませんが、国際バカロレアの資格を取得するために全生徒が終了しなくてはいけません。
ボランティアや課外活動を教育の一環にすることで、学校では学べない視点を生徒が持つことができるのです。
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国際バカロレアが育てる人物像
国際バカロレアの教育方針として、理想の学習者像があげられます。
国際バカロレアが掲げる理想の学習者像は、探究する人、知識のある人、考える人、コミュニケーションが出来る人、信念を持つ人、心を開く人、思いやりのある人、挑戦する人、バランスの取れた人、振り返りができる人の10個があります。
実は、今まで紹介してきたバカロレアのカリキュラムは、上記10個の学習者像に近づけるために組まれたカリキュラムなのです。
国際バカロレアの修了生は、他人の考え方や価値観、伝統を尊重するよう教育を受け、非常にリベラルな考え方を持つことができるのです。
そして、自ら自信を持って相手の多様な考え方を受けとめ、評価し、そこで得られた経験からまた成長していきます。
国際バカロレアは、グローバル化した社会で活躍するには単に「学力」だけではなく、「人間力」を非常に大事にした教育方針なのです。
国際バカロレア認定校とは?
日本で国際バカロレアの認定を受けた学校は、2020年現在一条校(後に説明)とインターナショナルスクールを含め155校(DP・MYP・PYPのいずれかを認定された学校数)となっています。
国際バカロレアの教育を学校が行うには、国際バカロレア機構のとても厳しい審査があり、日本の有名な学校でも中々通らないということもあるようです。
つまり、国際バカロレアの認定を得ることは非常に難しいということがわかります。
一条校とインターナショナルスクールの違い
さて、一条校という言葉がでてきましたが、インターナショナルスクールと何が違うのでしょうか。
一条校とは、「学校教育法第一条」に該当する学校のことで、「学校教育法第一条」とは、要は日本の国家カリキュラムに沿った教育法を意味します。
インターナショナルスクールには、この第一条に該当しません。
つまり、「学校教育法第一条」に該当する日本の学校を卒業すると、高卒の資格が得られますが、インターナショナルスクールでは、「学校教育法第一条」に規定されていないので日本の学校を卒業したことにはならないのです。
一方で、国際バカロレア認定の一条校は、高卒の資格と国際バカロレアの資格両方得られることができるのが強みになっています。
日本国内の国際バカロレアの広がり
最近、日本では国際バカロレアが注目されてきています。
もともと国際バカロレアの認定試験が英語などの外国語のみで、日本語の試験に対応していなく、その結果として、1979年に東京都セント・メリーズ・インターナショナルスクールがDPプログラムの認定校となったものの、最初の10年間は6校しか増えませんでした。
しかし、一部の試験で日本語の導入を許可したこともあり、現在、国際バカロレアの認定校が155校も増加し、今後ますます需要が高まっていきそうです。
日本国内の国際バカロレア認定校
認定校の項でも説明しましたが、日本で国際バカロレアの認定を受けた学校は、インターナショナルスクールを含め155校(DP・MYP・PYPのいずれかを認定された学校数)となっています。
認定校はインターナショナルスクールの方が一条校よりも多く、また一条校では圧倒的に私立学校が多くなっています。
世界的には公立校が半数以上を占めるようになってきたということですが、日本では真逆のようです。
学費の面でも公立校でバカロレア認定校が増えてくれることを願います。
さて、日本国内の国際バカロレア認定校ですが、公立学校を中心にいくつか代表校を見ていきましょう。
東京学芸大学付属国際中等教育学校
練馬区東大泉にある東京学芸大学付属国際中等教育学校は国立ですが、MYPとDPのコースを提供しています。
さらには日本語のDPコースもあり、それぞれ個人にあった国際バカロレアの取得ができるのが魅力です。
一条校以外でMYPとDPの両方を提供している学校は日本でも数が少なく、しかも国立校なので非常に稀有な学校といえます。
学校ホームページ:https://www.iss.oizumi.u-gakugei.ac.jp/
東京都立国際高等学校
目黒にある東京都立国際高等学校では、2015年から国際バカロレアコースを開設しています。
日本の公立高校で国際バカロレアDPプログラム認定校となったのは、この学校が初めてのようです。
アクセスは東急井の頭線「駒場東大前」駅から徒歩5分なので、渋谷からも近くまさに都心の学校です。
都心で国際バカロレアを学べるとても良い環境と言えるでしょう。
学校ホームページ:http://www.kokusai-h.metro.tokyo.jp/
沖縄尚学高等学校・附属中学校
最後は沖縄にある沖縄尚学高等学校・附属中学校を紹介します。
沖縄尚学は高校野球の甲子園の常連校で、文武両道の高校です。
国際バカロレアとしては、DPの認定学校になっており、日本語のDPコースがあります。
さらにはPYPやMYP、英語DPを採用しているオキナワインターナショナルスクールと提携したため、学生にあった国際バカロレアが学べるのも特徴です。
学校ホームページ:https://www.okisho.ed.jp/
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国際バカロレアを得た人の進路
では、国際バカロレアを取得した学生はどのような進路へ進むのでしょうか。
国際バカロレアを取得した学生は、世界中の大学に進学することができ、例えば、東京都立国際学校では実に75%以上の学生が国際バカロレアを取得後、海外の大学に進学しています。
東京都国際大学以外でも、国際バカロレアを取得した学生は、より海外進学を目指す人がますます多くなると予想されます。
まだまだ数は少ないですが近年日本の大学では国際バカロレアを利用した大学入試が広がっています。
今後は徐々に、国際バカロレアを取得した学生が日本の大学へ進学するケースも増えてくるかもしれません。
国際バカロレアを利用した大学入試の現状
先ほど、近年の日本の大学では、国際バカロレアを利用した大学入試が広がっていると紹介しましたが、現在の日本の大学ではどれくらい国際バカロレアを利用した大学入試を行っているのでしょうか。
2020年現在、国際バカロレアを利用した大学入試を行っている大学は50校以上あり、今後も増え続けていくことが予想されます。
有名な国立大学はもちろん、早稲田大学や慶應義塾大学といった名門私大も採用しています。
この入試を利用することで、センター試験や二次試験を受けることなく、国際バカロレアの成績などで受験することが可能です。
国際バカロレアの課題
このように国際的にも注目されており、日本政府も力を入れている国際バカロレアですが、実際は課題も多いのが現状です。
例えば、学校によって「内容に差がある」や「教えられる教員が少ない」ということなど課題はありますが、重要な課題は「学費」と「認定校の少なさ」だと考えられます。
まず「学費」ですが、国際バカロレアの認定校はほとんどがインターナショナルスクールや私立学校で「学費」が高いです。
「学費」が問題で、能力や意欲があっても進学を断念する学生が多いのが実態です。
次に「認定校の少なさ」ですが、日本にある認定校はほとんどが首都圏や関西圏に固まっています。
つまり、地方にいる方は、わざわざ東京などの大都市に通わなけばいけませんし、通学の時間面や費用面で負担が非常に大きくなってしまいます。
これらの問題がなくならない限り、国際バカロレアの発展は難しいという声もあります。
国際バカロレアの今後
では、今後日本で国際バカロレアはどうなっていくのでしょうか。
おそらく、日本では前項で述べた課題を克服し、国際バカロレアはさらに普及すると推察します。
その理由として、「グローバル化がさらに進むから」、「人の考えが多様化するから」などさまざまなことがありますが、最大の理由は、政府が国際バカロレアの普及に力を入れているからです。
政府は、2020年までに認定校を200校まで増やすことを目標に、国際バカロレア機構と交渉をし、DPの一部科目の認定言語を日本語で行っています。
実際にDPを導入する学校が増えて現在は24校となっています。
また、学校も生徒もWin-Winな関係であることもポイントです。
日本語DPを受けることで、学校側は世間にDP認定校として認知され、生徒数が増えるという恩恵を受けられ、生徒側は国際豊かな教育を受け、グローバルで活躍できる人材になれる、まさにWin-Winの関係なのです。
まとめ
以上、国際バカロレアについてまとめました。
グローバル化が進んだ今、国際バカロレアの資格を取るのは今後の進路やキャリアで大きく有利になるといえます。
これからグローバルで活躍できる国際人になるには、母国で培われる教養だけでなく、国際的な視野を持ち、国際的観点から学ぶことが大切です。
ぜひ、これからの将来をよりよく築きあげるために国際バカロレアの認定校の進学を検討してみてはいかがでしょうか。
先ほどご紹介した、スーパーグローバルハイスクールのほかに、スーパーサイエンスハイスクールというものもあります。
詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
スーパーサイエンスハイスクール(SSH)とは!指定校とその取り組み
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