最先端教育

反転授業のメリット・デメリット!事例もまとめてご紹介!

あなたは、反転学習をご存知でしょうか。
実は、タブレットやインターネット設備強化を背景に、教育業界では2000年代から既に反復授業がトレンドとなっていました。

現在(2020年5月)、新型コロナウイルスの影響で学校が休校となり、自宅学習せざるを得ない状況の中、これまでよりもさらに「反転授業」が注目されるようになっています。

そこで今回は、反転授業の概要や、メリット・デメリット、そして今後の教育現場に革命をもたらすことになるのか、について詳しくご紹介します。

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反転授業とは?

あなたは、「授業」と聞くとどのようなものを想像しますか?

授業と言われて真っ先に思い浮かぶのは、先生が黒板を使いながら生徒に一斉講義を行い、その後に復習として家で宿題をするような光景ではないでしょうか。
これは、「授業(学校、インプット)→宿題(家、アウトプット復習)」という形です。

しかし、反転授業とは文字通りその「反転」です。
各自で映像教材を使って先に予習をし、学校では今まで宿題とされていた演習を行ったり、学習内容に関する意見交換を行ったりして、より理解を深めるための学習をします。

このように部分的にオンライン配信されている教材を使うことで、生徒自らが「いつ・どこで・どのように」学ぶかを決められるため、自分のレベルに合わせて進められる「ブレンド型学習形態」と言われています。

反転授業のメリット

反転学習の最大のメリットはやはり、時間や場所を選ばず、自らの裁量で学習に取り組めるというところにあります。
また、従来の一斉講義式ではかなわなかった、自分のつまずきに対して理解できるまで何度でもビデオを巻き戻し、勉強することも可能です。

基礎となる知識を家で習得し終えたら、今度は学校でより発展的な問題に取り組めるため、知識が定着しやすく、さらに仲間たちと協動しながら、より高度な問題に取り組むことができます。
通常授業では時間的な制限によりできなかったことも、反転授業では可能となるという点では、効率が良いと言えます。

また教師の立場からも、理解度の低い生徒を発見しやすい、といったメリットがあります。
個々の特性に合わせて必要な学習を提供することができ、アクティブラーニングにも繋げやすく、生徒の自発的な学習を促せるといった期待も持てます。

反転授業のデメリット

一方でデメリットと言えば、インターネット回線の整備やタブレット端末の確保、といった外面的な問題があります。

コロナの影響で学校休校要請を受け、一部では生徒にタブレットを支給すると決定した自治体もありました。
しかし、現場は業者の選定や環境整備などで大きく混乱し、導入は2020年内には難しいと判断しているところが多く、なかなかスムーズにはいかないのが実態です。

また、このような外面的問題をクリアした後、次に問題になるのが、個々のモチベーションです。
予習を行うのが前提となる反転授業では、家での勉強は生徒自身に委ねられているため、学習意欲の低い生徒はどんどん取り残されていく可能性があります。
予習を徹底させるためには、ご家庭での指導が重要になるでしょう。

そして、もう1つ重要なのが、教師の授業力です。
一斉授業とは異なるテクニックが必要となり、映像の編集技術も含め、それに対応できる教師とそうでない教師との間に大きな差がうまれてしまいます。
実際、こういった理由から反転授業に否定的な声も多いというのが現状です。

反転授業の事例

日本では、東京大学を皮切りに、様々な大学で段階的に反転授業が行われています。
大学での評判は概ね良好で、成績結果も反転授業の方が伸びた、という結果が出ました。

では、中学や高校ではどうでしょうか。
兵庫県にある丹波篠山市立丹南中学校では、全ての生徒が予習してくるわけではないが、生徒が自宅で予習をし、その後の授業で「生徒同士の教え合いの機会」を持つと、勉強についていけなかった生徒も他の生徒から説明を受けることで意欲的になり、最終的には「わかる」まで到達するというデータが出ています。

さらに、同じく兵庫県の丹波篠山市立篠山東中学校においても、「予習したことが授業で出ると毎回の授業が楽しみになる」という生徒の意見もあり、こちらの学校でも好感触でした。
この新しいタイプの授業スタイルに思い切って挑戦したことが、教員の授業改善や指導力向上にもつながっているそうです。

また、早期から反転学習に取り組んできた、近畿大学付属高校では、課題はあるものの「これからの社会を生きるために、必要なスキルを磨くためのものである」との見解を示しており、こちらでもやはり反転学習には、一斉学習にはない可能性があることや、より効果的に学習内容を享受できることを示唆しています。

今後、反転授業がスタンダードになるのか?

環境の整備や、教員のICT活用のための勉強など、まだまだ実用に向けては課題があるものの、着実に教育現場ではこの「改革」に乗り出している学校が増えています。
そして、それらが一定の成果を出していることから、今後ますます導入されていくでしょう。

反転学習には、テストの平均点を全員であげるための「完全習得学習型」と、授業では主にアクティブラーニング系の演習を行い、どんどん発展的な内容をこなしていく「高次能力学習型」があります。

特に後者では「問題発見(解決)能力」や「コミュニケーション能力」、「協調性」、「プレゼン能力」といった数値、成績表では評価しにくい「生徒の本質」の部分が見えてきます。
この力こそが、めまぐるしく変化する現代社会の中で必要な「生きる力」を担う重要な要素なのです。

まとめ

さて、この反転学習を最初に実践した「バーグマン」は、「反転学習の真の狙いはビデオを使うことが目的ではない。反転学習により授業本編の中で出来る空き時間に、何が出来るかで授業の価値が決まる」と述べています。

もはやありきたりの一斉授業で、生徒を眠らせてしまうような授業では、本格的に「未来型教育」の大改革が訪れた時に、淘汰される日が来るかもしれません。

学ぶのは生徒だけではなく、先生も共に「学び合う」という謙虚な気持ちを忘れずにいたいものです。

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