2020年の小学校を皮切りに新学習指導要領がスタートし、探究学習というワードが注目を集めています。
また、高等学校の科目では、日本史探究や古典探究などの教科が新設されます。
一気に身近になってきた「探究」という言葉ですが、実際名前は知ってるけれど詳しくはわからないといった人がほとんどではないでしょうか?
今回は探究学習の目的やメリットなどを、詳しく解説していきます。
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探究学習とは
文部科学省では、「問題解決的な活動が発展的に繰り返されていく一連の学習活動のこと」と定義しています。
探究学習とは、自ら問いや課題を見つけ、情報を収集・整理し、他者と議論・協働し、自分独自の答えを導き出す学習方法です。
決して答えは1つではありません。
探究学習を進めるためには、いくつかのステップを踏みながら進める必要があります。
ただ前に進むのではなく、時には振り返ることも必要です。
今までの与えられるだけの学習方法とは違い、子供たち自身が、主体的・対話的な深い学びを実践していくことが探究学習であるといえます。
出典:文部科学省「今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開」(平成25年)第2章
探究とは
辞書で探究という言葉を調べると、物事の意義・本質を探って見極めようとすることとあります。
今後、さらにグローバル化、そしてAI(人工知能)化していくことが予想されます。
これから私たちにもとめられる資質・能力は、主体的に問題発見・解決し、協働しながら0から何かを創造する力です。
これは、AIでは代替することができない力といわれています。
探究することで、変化の激しい未来を力強く生き抜く術を習得することができるのです。
探究学習が注目されている理由
2022年度から新しく導入される高等学校学習指導要領の中で、探究という名がつく科目が7つ新設されます。
科目は、古典探究、地理探究、日本史探究、世界史探究、理数探究、理数探究基礎、総合的な探究の時間、の7つで、そのうち必履修科目になっているのが、総合的な探究の時間です。
一足早く実施されていた小学校や中学校の学習指導要領の中にはすでに探究という言葉は出ていたものの、その考え方や学習の方向性の明示にとどまり、実際の科目名に探究の文字はありませんでした。
しかし、急に私たちの目に見える形として探究という言葉が広がってきたのです。
まだ、探求という言葉だけが先走りして、足並みが揃っていない印象ではないのでしょうか。
近年、探究学習についてもっと知りたいと思う人が増えてきたのは、この理由からでしょう。
探究学習と教科学習の違い
皆さんが学校で授業を受ける一般的なスタイルと言えば教科学習だと思います。
教科学習は、学校で普段行われている国語や算数などの一般的な授業スタイルで、先生から多数の児童に向けて授業を行います。
決められた時間の中でより効率的に学習できるメリットがありますが、探究学習のように主体的・対話的で深い学びにはならない点がデメリットでしょう。
そして探究学習の主人公はあくまでも学習する子供たち本人です。
探究するテーマ探しから、誰かから与えられるのではなく自分自身で発見する必要があります。
今後、この教科学習も探究学習の要素を取り入れていくことが予想されますが、実際は授業時間の制約があったりとなかなか難しいのが現状です。
探究学習のメリット
探究学習では、子供が知っている情報から生まれた、なぜ?、どうして?という疑問を中心に、他者と協働しながら試行錯誤を繰り返し、ときには振り返りながらテーマを深く掘り下げて学びます。
そして、そこで得られたすべての学びが、実際の生活でも起こりうる課題解決やチャレンジに直結するのです。
人から一方的に与えられた学びよりも、自ら考える探究学習で得た学びの方が深い学びとなり、知識の定着率が格段に違います。
主体的に学ぶことで、自分の学びに責任を持ち、自ら進んで学ぶ姿勢が形成されていく点が大きなメリットでしょう。
また、自分なりの問いを見つけ出したり、自ら調べ解決することで、自己肯定感も高まり、今後の学習意欲の向上にも大いに貢献します。
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探究学習の4つの過程
課題の設定
探究学習において、一番重要といわれているものが、この「課題(テーマ)の設定」です。
自分自身で探究するべき課題を設定するのですが、他者から言われて課題を設定するのでは探究学習として成り立たなくなります。
具体的には、フィールドワークや資料・グラフなどを用いてシミュレーションや比較検討をし、起こりうる問題を明確にすることで課題を設定することができます。
テーマを設定する際の注意点として以下の3点が挙げられます。
- 気軽さ(身近な疑問)
- 解釈の多様性(答えは1つではない)
- 深い学びへの可能性(テーマの深堀り)
壮大な規模の課題ではなく、あくまでも自分の身の回りの課題を主体的に発見することから、探究学習がスタートします。
情報の収集
課題が決まったら、次は情報の収集です。
設定した課題に対して、どのようなプロセスを経てアプローチするのかを考えていきます。
ネットや書籍で調べるのか、または観察してデータ収集するのか、方法はさまざまです。
情報収集もテーマ設定と同じで、誰かからやらされるのではなく主体的に行われなければなりません。
ここでの注意点が、情報収集の方法は1つに絞らないという点です。
幅広い情報収集を行うことで、情報が偏ることを防ぎ、それぞれの情報収集方法のメリット・デメリットを体感することができるからです。
加えて、視野を広く持ち、多くの情報から必要なものを取捨選択しより制度の高い情報に昇華する情報収集力を鍛えることが期待されます。
整理・分析
ある程度情報が集まってきたならば、次はその情報をもとに整理・分析をします。
課題解決のために収集した情報を整理し、構造化・可視化してさまざまな視点で分析することが重要です。
何も学びがないままで終わらせないためにも、具体的な方法やツールを決め、比較や分類をしてたり、序列化や関連付けたりして考えることで、幅広い視点を用いて課題に関しての因果関係を導き出すことができるのです。
このプロセスを経て、自分の考えを明らかにしていく課程が探究学習の醍醐味ともいえるでしょう。
まとめ・表現
今まで、多様な視点で課題解決に向けた学びを深めてきましたが、最後にまとめて表現すること、すなわちアウトプットすることで探究学習としての質がさらに高まります。
情報の整理・分析を行った後、自分自身の考えとしてまとめ表現を行うことで、課題がより鮮明になったり、違う課題が見えてきたりと、さらに深まりのある探究活動に繋がるのです。
結論は何か、どのように表現したら正確に分かりやすく伝えることができるかなど、表現方法をあらかじめ主体的に考え、構成することで、その後の反省や検証がある場合も効果的なものとなるでしょう。
伝えるための具体的な方法を身につければ、今後プレゼンテーションを行う場でもスムーズに表現することができるでしょう。
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探究学習の事例・実践校
探究学習は、さまざまなところで実践されています。
埼玉県さいたま市にある私立開智小学校は、積極的に探究学習を取り入れている小学校の一つです。
「国際社会に貢献する、心豊かな、創造力・発信力をもったリーダーを育てる」という教育理念のもと、異年齢学級を採用しており、4-4-4制の12年間小中高一貫教育が最大の特徴です。
小学5年生から中学2年生までの時期に該当するセカンダリーでは、週1時間の探究の時間が設定してあり、1年かけてそれぞれの課題を主体的に探究していきます。
まとめ
今後、急速にグローバル化やAI化が進み、0から何かを生み出す力が重要視されるといわれています。
子供が知っている情報から課題を発見し、主体的に学ぶことで深い学びへと繋がり、新たな発見と繋がるのです。
探究学習は、そんな変化の激しい未来を力強く生きるための術を習得できる学習方法として期待されています。
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