人間関係や勉強が苦手で、学校に行けなくなってしまった…。
そんな子供たちのために、フリースクールとい教育施設があるのはご存じでしょうか。
フリースクールは、公的に定められた施設ではなく個人経営やNPO法人、ボランティア団体などが運営する民間の教育機関です。
この記事では、フリースクールができた背景や特徴、選び方など詳しくご紹介します。
「フリースクールに興味はあるけれど、どんなところかわからない」と悩んでいる方、必見です。
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フリースクールとは?フリースクールってどんなところ?
フリースクールとは、何らかの理由で学校に行けなくなってしまった子供たちが通う民間の教育施設です。
主にNPO法人や個人が運営しており、子供たちにとって学校以外の居場所・学びの場を提供しています。
対象者は施設によって異なりますが、小・中学生を受け入れ対象としているところが多いです。
中には高校生~20歳くらいの年齢まで幅広く受け入れている施設もあります。
フリースクールは、その施設によって特徴はさまざまで、目的やカリキュラム、活動内容も違いますが、共通していることは、子供自身の主体性を重視した教育が行われているということです。
例えば、各々の学習進度や興味関心に合わせて個別の学習をしたり、社会見学や自然観察などの体験活動をしたりと、子供たちの意思で学ぶ内容や方法を決めていくものが中心になっています。
また、子供たちの悩みに寄り添って相談・カウンセリングを充実させるなど、9割以上のフリースクールが精神面から子供をサポートすることに力を入れています。
フリースクールの3つの特徴
では通常の学校と比べて、フリースクールにはどんな特徴があるのでしょうか。
通常の学校では、学習内容や時間割が明確に決められ、子供たちはそれに沿ってみんなで一斉に学習します。
そして、年齢によって学年別に分けられ、異学年間の交流は行事や部活動に限られており、学習面での交流はあまりありません。
しかし、フリースクールはそのような形をとっていないところが多いです。
主に3つの特徴がありますので、詳しくご紹介します。
学習指導要領に厳格に縛られていないこと
フリースクールの第一の特徴として、学習内容が学習指導要領に厳格に縛られていないことが挙げられます。
通常の学校では、「〇年生ではこれを学ぶ」と決まっていることを指導しますが、フリースクールでは一人ひとりの子供に合わせて学習内容を決めます。
このようなスタイルになっているのは、子供たちの自己決定権を尊重しているからです。
学校に行けなくなってしまった子供の理由として、「いろいろなことを強いられる学校の雰囲気が苦手」という声が多く聞かれます。
「これをやりなさい、あなたのためだから」と言われても、心からの意欲が湧かないことは想像に難くないでしょう。
自分の興味に合わせて自分で学習内容を決めていくことは、主体的な学びにつながります。
個別指導・少人数グループ学習が主であること
フリースクールでは、学習の進度や理解度が子供によって違うため、個別に指導したり少人数のグループで学習したりすることがほとんどです。
学校に行けなくなってしまうことの理由に、「勉強についていけなくて辛い」というものがあります。
通常の学校では、クラスで一斉に指導が行われるため、一人ひとりになかなか支援が行き届かない場合がありますが、個別や少人数グループ学習なら、そのような心配はありません。
また、周りと比較されることを嫌う子もいます。
「みんなはできるのに、あなたはなんでできないの」と言われるような環境では、子供はどんどん自信を無くし、不安になります。
子供たちの居場所になるには、子供に安心感を持ってもらうことが不可欠です。
異なる年齢の子供たちが一緒に活動すること
フリースクールでは、同じ空間に異なる年齢の子供たちが集まって活動することが多いです。
通常の学校のように、同じ年齢の子供が集まることの良さもありますが、違う年齢の子供たちが集まることの良さもあります。
年齢が違う人たちと一緒に生活すると、どうしても衝突することや、お互い迷惑に感じることが出てきますが、子供たちの話し合いによって自分たちでルールを決めることで、解決策を考える力を身に付けることができます。
通常の学校では、校則がもともと決まっているので、このような体験はあまりないですが、フリースクールでは、自分たちでルールや決まりを0から作っていくのです。
フリースクールにはどんな人がどのくらい通っているのか?
フリースクールには、不登校など学校に行けなくなってしまった子供たちが通っていますが、学校に行けなくなってしまった理由はさまざまです。
学校の雰囲気が苦手、先生や友だちとの人間関係で悩んでいる、勉強がよくわからないといった理由が多いようです。
またADHDやLDといった発達障害を抱え、学校での集団生活や一斉授業に馴染めないことが原因になる場合もあります。
では、フリースクールにはどのくらいの人が通っているのでしょうか。
平成27年8月5日に発表された文部科学省の「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う 民間の団体・施設に関する調査」によると、フリースクールに在籍する小中学生は、平成27年3月の時点で小学生1,833人、中学生2,363人、計4,196人です。
この調査に回答した施設が317ですので、1施設当たりの子供の数は平均 13.2 人ということになります。
1施設あたりの人数を見ると、それほど多くなく、集団生活が苦手だという子供も心理的負担が少なく通うことができます。
また、フリースクールに通う子供を高校生まで含めると、7,011人です。
フリースクールが生まれた背景
フリースクールが生まれた背景には、心理的な理由で学校に通えなくなってしまった子供の増加があります。
1970年代から社会が豊かになり、それに伴って高校進学率がぐんと上がりました。
そのため学歴重視の受験戦争が激しくなり、一斉授業で効率的に指導する風潮が広がり、子供たちのストレスがだんだんと高まっていき、校内暴力などの問題行動が目立つようになりました。
それと同時に、不登校(当時は登校拒否と呼ばれました)の子供も増えていったのです。
政府は何とかして不登校の子供を学校復帰させようと対策を講じますが、80年代や90年代になっても不登校の子供は増え続けていく一方です。
この頃から、「学校復帰のための対策ではなく、子供の居場所を作ることが必要なのではないか」という思いのもとフリースクールが設立されるようになりました。
文部科学省の調査を見ると、フリースクールが設立された時期は2000~2009年の間が多いです。
これは、不登校の子供の増加に伴い対応が重要視され始めた時期と重なります。
フリースクールの現状
不登校などで学校に行けなくなった子供たちを受け入れる場として注目されるフリースクールですが、実際はいくつか問題を抱えています。
まずは、利用率についてです。
文部科学省の「平成 29 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」の調査によると、フリースクールは全国に約400校あり、約4,200人の小中学生が通っています。
しかし、それは不登校の子供のうち約2%ほどなのだそうです。
以前に比べればフリースクールの存在が周知されてきているとはいえ、周囲の理解を得にくかったり、学費による負担があったりとフリースクールを利用するにはまだまだハードルがあるようです。
次に、二重籍の問題もあります。
子供にとっては「フリースクールが自分の母校だ」という認識があっても、フリースクールは公的に「学校」として認められていないので、保護者の就学義務の観点から、もともと通っていた学校に籍を置いておく必要があります。
そのため、本人が通っていないけれど学校と関わりを持ち続けなければいけなかったり、「こうしないと卒業させない。」などと学校側から言われさらに傷ついたりすることがあるようです。
今後、不登校対策を考えるにあたり、フリースクールを教育機関の一つとして重視する風潮は高まっていくと思われます。
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フリースクールに通うことで得られるメリット
子供にとってフリースクールに通う一番のメリットは、学校・家庭以外の「居場所ができる」ということです。
自分の存在が認められ、受け入れられる場があることは、子供にとってとても心強いことです。
学校に行けなくなってしまった子供は、どこかで「学校に行かないなんて、ダメなやつだ。」と自分を責めてしまうことがあります。
すると、どんどん自信をなくし、自己肯定感が下がってしまいます。
家族以外の第三者と交流し、つながりを持つことで、「学校に行けないのは自分だけじゃないんだ。」「ありのままの自分でいいんだ。」という安心感を得ることができます。
また、保護者の方にとっても、子供がフリースクールに通うことは安心感につながります。
自分の子供が学校に行けなくなってしまったとき、保護者の方は深く悩みながらも周りに相談しにくく感じ、悩みを抱え込んでしまいがちです。
しかし、フリースクールでは同じ境遇の方が多く集まりますので、悩みを共有することで、精神的にも心が軽くなるのです。
サポート校とフリースクールの違い
フリースクールと似た施設で、サポート校というのもあります。
どちらも民間の教育機関であることは同じですが、違う点がいくつかあります。
大きく違うのは運営母体です。
フリースクールの場合、運営するのはNPO法人や個人が多いですが、サポート校の場合は、予備校や学習塾が多いです。
これは、主に運営の目的に若干の違いがあることが理由です。
フリースクールは、不登校など何らかの理由で学校に行けなくなってしまった子供たちの居場所になることを目的としています。
どちらかというと、精神的に子供に寄り添い、昼夜逆転などの乱れた生活習慣を整えることに重きをおいています。
小中学生を対象にしているものが多く、入学資格も特に定められていません。
一方で、サポート校は、学習支援に重点をおいています。
主に高校生を対象としたものが多く、通信制高校に在籍する子供たちを、3年間で高校卒業資格を得られるように学習面や生活面でサポートすることを目的としています。
フリースクールに入学資格がない一方で、サポート校は中学校卒業見込み者、通信高校在籍者などの入学資格を設けています。
最近では、高校生活の前段階として中学生を対象にしたサポート校も出てきており、受け入れ対象の幅が広がってきています。
フリースクールは出席扱いになるのか?卒業資格は?
小中学校の場合、もともと通っていた学校または住民登録してある市区町村の定められた学校に籍をおいたまま、フリースクールに通う形になります。
フリースクールは、学校教育法で公的に「学校」として認められていないため、義務教育の間は公的に認められた学校に籍を置いておく必要があるということですね。
フリースクール登校は、いくつかの条件を満たせば出席として認められます。
基本的には、適切な指導が行われており、かつ在籍学校の校長が認めれば出席扱いになります。
卒業については、フリースクールを卒業しただけでは卒業資格を得たことにならないため、在籍学校を卒業する形になります。
小中学校の場合は、厳密に卒業要件の出席日数や単位が決まっているわけではないので、本人が卒業を望まないかぎり、校長の判断によって卒業資格を得られる場合が多いです。
高校の場合、出席については小中学校と同じで、在籍学校校長の判断でフリースクール登校を出席扱いにすることができます。
しかし、高校卒業資格については、フリースクールに通っただけでは得ることはできません。
その理由として、高校の場合、高校卒業に必要な条件が学校教育法で決まっているからです。
フリースクールは「学校」ではないため、卒業に必要な条件である単位を得ることができません。
そのため、フリースクール登校を出席と認められても、その他の卒業要件をフリースクールで満たすことができないのです。
ですので、高校卒業資格を得るためには、高校卒業程度認定試験を受けたり、定時制高校や通信制高校を利用したりする必要があります。
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フリースクールのタイプ4つご紹介!
フリースクールは全国に約400校ありますが、決まった形態は無く、施設ごとにそれぞれ特色があります。
目標も違いますし、活動内容や利用形式もフリースクールによってさまざまですが、どのフリースクールも「学校に行けない子供たちの居場所になる」という目的は同じです。
ここでは、数あるフリースクールの中でも大まかな4つのタイプをご紹介します。
フリースクールについて具体的なイメージを持つ手助けになると幸いです。
①子供の意思を尊重するタイプ
子供の意思を尊重するタイプのフリースクールでは、一日の活動内容を子供自身が決めます。
先生が時間割を作り、それに沿って学習するのではなく、自分の学びたいことを自分で選択して学習します。
時には同じ興味を持つ子供同士が集まってミーティングを行い、学びたいことについて話し合って一緒に活動したり、外部講師を招いたりすることもあるようです。
時間についても、活動時間や休憩時間が細かく決まっている通常の学校と異なるところが多いです。
開校と閉校の時間だけが決まっており、後は子供自身のペースで登下校する形になります。
また服装や髪型、持ち物についても、子供たちの個性を尊重し、明確な決まりはないところがほとんどです。
②学校復帰を目標とするタイプ
フリースクールの中には、もともと通っていた学校に復帰できるようにすることを目的にしているところもあります。
学校復帰をしたときにスムーズに授業に参加できるよう、在籍校の学習進度に合わせて学習面をサポートします。
また「みんなと同じように学校に行けなかった」という気持ちに寄り添い、自己肯定感を高めて学校に復帰できるよう、専門家による相談やカウンセリングなどの精神面も支援していく体制が整っている施設が多いです。
さらに、週5日、時間ごとに規則正しく行動することが求められる学校生活に合った生活リズムが身につくよう、生活面でもサポートをしていきます。
③寮で共同生活を送るタイプ
不登校が続くうちに引きこもりになったり、昼夜逆転などで生活習慣が乱れてしまったりした子供たちに向けて、寮で共同生活を送るタイプのフリースクールがあります。
このタイプのメリットは、寝食を共にすることで、寮生やスタッフと信頼関係を築きやすいことです。
フリースクールが目標とする事柄によって、1日の生活スケジュールは異なります。
具体的には、自分の殻に閉じこもっているところから抜け出すことを目標とし、個々のペースを大切にして生活するところや、規則正しい生活を送れるようになることを目標にしているところなどがあります。
また、家の近くに自分に合ったフリースクールが無く、通うことが難しい場合も、寮があるタイプならフリースクールに通うことができます。
④自宅訪問タイプ
不登校がきっかけで引きこもりになり、その状態が長く続くと家の外に出るのが難しくなってしまう子供もいます。
そのような子たちのために、スタッフが自宅を訪問するタイプのフリースクールがあります。
このタイプのフリースクールは、まずは家族以外の第三者と交流して信頼関係を築くことを第一の目標にしています。
その上で、本人の学習意欲を高めながら学習支援を行うという流れになるようです。
また心理カウンセラーや相談員など、専門の知識を持ったスタッフが関わる体制を整えているところが多く、子供にとって精神的負担にならないようにサポートしてくれます。
だんだんと本人のやる気が出てきたら、家の外に出られるよう促していきます。
フリースクールの費用
フリースクールは学校教育法で認められた学校ではないため、公的な支援は無く、費用は自己負担になります。
文部科学省の「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う 民間の団体・施設に関する調査」によると、フリースクールの授業料の平均は月額3万3千円です。
月額5千円以下というところもあれば、5万円以上のところもあり、施設によってさまざまです。
しかし、1~3万円・3~5万円という施設がそれぞれ全体の4割弱で、最も多い割合でした。
入会金の平均額は、5万3千円で、こちらも施設によって金額はさまざまで、入会金を徴収していない施設もあれば、10万円以上という施設もあります。
一番多かったのは1~3万円とする施設で、全体の約3割でした。
私立小中学校の授業料の平均が月額5万円と言われているので、それよりは負担はやや少ないといえます。
しかし、公立学校と比較するとやはり負担があることは否めません。
現在の学校スタイルに馴染めない子供たちが増えている一方で、それを支援する体制が整っていないのが現状です。
フリースクールからの進路と学歴
学校に行かずフリースクールを選択肢として考えるとき、心配なことの一つに将来の進路のことが挙げられると思いますが、通常の学校に行っていないからといってお先真っ暗、ということでは決してありません。
フリースクールに通う小中学生の場合、「フリースクールは出席扱いになるのか?卒業資格は?」の欄で前述したとおり、ほとんどのケースで在籍する学校の卒業が認められます。
小学校を卒業した子は、また中学校に在籍しながらフリースクールに通うか、中学校に復学するかのどちらかの道に進むことが考えられます。
中学校卒業後は、全日制高校に通ったり、フリースクールと並行して通信制高校に進学したりして、高卒資格を得るのが一般的です。
その後は、大学進学や就職などさまざまな進路があります。
学歴については、在籍していた小中高校卒ということになります。
フリースクールを卒業しただけでは卒業資格を得られないため、卒業証書や公的書類を発行するのはフリースクールではなく、在籍していた小中高校です。
また、履歴書等に学歴を記載するときもフリースクール名ではなく在籍していた小中高校名を書きます。
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フリースクールを選ぶ時の3つのポイント
実際にフリースクールに通うことを検討するとき、どのフリースクールを選んだらよいか悩む方もたくさんいらっしゃるかと思います。
先述したとおり、フリースクールは、その施設によって目的や活動内容はさまざまです。
お子さんの性格や最終目標に合わせてフリースクールを選ぶのがよいでしょう。
何よりも、子供自身に合ったタイプのもので、自分で「行きたい」と思えるフリースクールを選ぶことが大切です。
以下の3つのポイントを参考にしてみてください。
①活動内容が合っているか
まず、フリースクールでの活動内容がお子さんと合っているかチェックしましょう。
施設によって、室内学習が多いところもあれば、自然体験や社会見学などの野外活動を積極的に取り入れているところもあります。
お子さんがフリースクールで何をしたいか、どんな活動を希望しているか確認しながら検討しましょう。
学校復帰を目標とする場合、学習支援を主に行うフリースクールを選ぶのがよいでしょう。
在籍学校と連携して対応してくれるところもありますので学校復帰がしやすくなります。
学校に行けない自分を責め、何事にも興味を持てず無気力な状態になってしまっているという場合は、体験活動を多く取り入れているところがおすすめです。
いろいろな活動をするうちに、自分の興味関心を持てるものに出会える可能性があります。
通常の学校で無理をしていた結果、不登校になってしまった、というのはよく聞く話です。
お子さんにとって無理のない活動ができるフリースクールを選びたいですね。
②居心地として機能するか
子供にとって居心地がよいということは、最も大切なポイントと言えます。
居心地がよく、安心感を得られることで自信が生まれ、何かに挑戦しよう、がんばろうという意欲につながります。
フリースクールの雰囲気やスタッフの対応、一緒に過ごす子供たちの様子などを見て、お子さんにとって居心地のよい空間かどうかをチェックしましょう。
これは、インターネットの情報や資料などでは感じにくい部分ですので、実際に見たり、体験したりして確認するのがよいと思います。
精神的な理由で学校に行けなくなってしまった子供は、通常の学校で何らかの居心地の悪さを感じています。
それは友人関係かもしれないし、学校の雰囲気かもしれません。
いずれにしても「ありのままの自分を受け入れられている」という居心地の良さを感じられずに過ごしていたことでしょう。
学校以外の安心できる、居心地のよい空間にいられることは、学校生活で傷ついた子供の心をきっと癒してくれます。
③信頼できるところなのか
フリースクールが信頼できるところなのかも確認しておきたいポイントです。
何かあったときに適切な対応をしてもらえるようなフリースクールだと安心ですし、子供にとっても、信頼できるフリースクールの存在は大切です。
学校に行けなくなってしまったこどもは、周りの大人や教育機関に不信感を持っていることが多いです。
「もう嫌なところは解決したから、大丈夫だから学校においで」と言われて学校に行ってみたら、やっぱり陰で嫌な思いをして、さらに傷ついた」という経験は、不登校の子供には少なくないと思います。
そのような子供にとって、施設の雰囲気やスタッフが信頼できるかできないかは、とても大きな問題です。
保護者との信頼関係も大切ですが、子供とも信頼関係が築けるようなフリースクールなのか、通学前に確認しておきましょう。
フリースクールに通うまでの5つのステップ
「フリースクールという選択肢もいいかもしれないな」と思われた方のために、フリースクールに通うまでの過程を、5ステップに分けてご紹介していきます。
通常の学校のイメージは、今までの経験があるので思い浮かびやすいと思いますが、フリースクールに通うとなるとどのような流れになるのか想像がつかないという方がほとんどだと思います。
これからお伝えする内容を参考に、フリースクールに通うまでの流れをイメージしてみてください。
①どんなフリースクールがあるのか調査し、リスト化する
最初に、どんなフリースクールがあるのか調査します。
この段階では、候補がたくさんあった方が選択肢が広がりますので、気構えずに調べてみましょう。
いろいろな特徴のフリースクールがありますので、まずは自宅からの通いやすさ、フリースクールに通う目的を基準にしてリストアップするとよいと思います。
方法としては、インターネットでの検索やお住まいの市区町村の窓口に相談、フリースクール全国ネットワークを利用するなどがあります。
お子さんの希望を聞きながら、楽しむ気持ちでいろいろなフリースクールを調べてみてください。
②資料請求して詳細を確認する
インターネットの情報だけではわからないこともあるかと思いますので、資料請求をしておくのがおすすめです。
新しい情報が得られますし、紙媒体なので見比べやすいです。
施設の規模や費用、行事の有無など、気になることはこの段階でいろいろ調べてみましょう。
お子さんにも希望を聞きながら、お子さん自身の雰囲気に合いそうなところを探します。
歴史のあるフリースクールでは、卒業者の進路や体験談を紹介しているところもありますので、卒業後のイメージを持つこともできます。
資料で詳細が確認できたら、候補を何校かに絞っていきます。
次のステップでは実際に見学に行くことをおすすめしているのですが、何校も見学に行くのは大変ですし、お子さんにとっても負担が大きいです。
この段階で候補を2、3校に絞りましょう。
③実際に見学に行ってみる / オンライン面談で話を聞く
候補が絞れてきたら、実際に見学に行ってみましょう。
ほとんどのフリースクールでは、体験入学や見学をすることができます。
フリースクールがお子さんに合っているかどうかは、実際に体験してみないとわからないことが多いです。
資料では「良さそう」と思っていたけれど、実際に見てみると雰囲気が合わなかった、イメージと違っていたというのはよくある話です。
せっかく新たな生活への第一歩を踏み出すのですから、お子さんに合ったフリースクールを選びたいですよね。
もし実際に見学するのが難しかったら、オンライン面談で話を聞く方法もあります。
電話と違って相手の顔が見られますし、施設の中や活動の様子なども見ることができて便利ですよ。
④所属している学校に伝える
フリースクールに通うことが決まったら、その旨を在籍学校に伝えます。
フリースクールが適切な指導をしていると校長が判断すれば、フリースクール登校が出席扱いになり、学校復帰をフリースクールと在籍校で連携してサポートしてくれる場合もあります。
ただ、在籍学校がフリースクールに理解がある場合は受け入れられやすいですが、残念ながら学校側に理解がないと、心無い言葉をかけられることがあるかもしれません。
しかし、文部科学省でもフリースクールを教育機関の一つとして重要視する方向に変わってきています。
保護者が気を遣うのもおかしな話ですが、子供のためという気持ちを持ち、毅然と対応しましょう。
⑤再度、詳細についてフリースクールと話し合う
フリースクールに通うことを在籍学校に伝えたら、再度フリースクール側と話し合います。
いつから登校するかといった事務的なことから、保護者とフリースクールの関わりはどれほどか、在籍学校との接し方など、最後の調整をしましょう。
もしお子さんが不安に思っていることがあったら、この段階でしっかり情報交換をして不安を取り除いておきます。
またお子さんについてフリースクール側に伝えておきたいことがある場合は、忘れずに伝えておきましょう。
フリースクール側も、お子さんをサポートするのに役立ち、フリースクール登校後も、フリースクール側と保護者のやりとりを密にして、お子さんの様子を見守りましょう。
まとめ
今回は、フリースクールの特徴や選び方について、詳しく紹介しました。
フリースクールは、何らかの理由で学校に行けなくなってしまった子供たちの居場所として、ますます注目されることが予想されます。
以前は、不登校は家族や本人の問題だと言われ、悩んでいた親子がたくさんいました。
今では、「不登校は問題校行動ではない」という文言が学習指導要領に追加され、精神的な理由で学校に行けない子供たちへの理解も広まっています。
「みんなと同じように学校に行けないなんて、自分はダメなやつだ」と自分を責めるのではなく、フリースクールが子供たちの選択肢の一つとなり、自分らしく学ぶ場が増えることを期待します。
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