Startup Weekend "Tokyo"なのに"Cebu"開催?
説明が多少重複しますがStartup Weekend Tokyoとは、金曜日の夜から日曜日の夜まで、3日間54時間をかけて開催されるスタートアップ体験イベントです。
各チームでビジネスアイデアをプロトタイプまで落とし込み、そのアイデアとプロトタイプの出来を競います。
たった3日間で「アイデアをカタチに」するための方法論を学び、スタートアップをリアルに体験することができる、熱くハードなイベントがここセブ島で開催されました。
スタートアップ・ウィークエンド「東京」なのにどうして「セブ」なのか、ファシリテーターの方に伺ったところ、
「東京で”アフリカ”をテーマにSWを開催したことがあり、その際にやはり新しいものを生み出す時は、(課題抽出から解決策創造まで)現地に足を運ばなくてはならない、と参加者の方も運営スタッフも気づいたことから、海外に進出する機会を作りたいと願っていたため。」
とのお答えをいただきました。
多くの人の想いがつまった海外でのSWT開催。ちなみにセブ島での開催は今回が2回目になりますが、海外初開催の時も実はセブ島だったんです!2017年5月のセブ島開催を皮切りとして、2018年1月ベトナム/ホーチミン、4月中国/深圳、そして今回7月フィリピン/セブ島で再び開催となりました。
日本からはるばる暑くて熱いフィリピンのセブ島へ、今夜は眠れない?SWT1日目
1日目は金曜日の19時からスタートします。ただ、この時期のセブは雨季ということもあり、夕方の17時くらいから大雨が降った影響でiiofficeがある一帯は停電に…。なんとか予備電源で電気やWifiはついたものの、エアコンはつかず扇風機での対応。会場はエアコンが無い暑さと、参加者の方の「セブまで来たからにはやってやるぞ!」という熱気に包まれていました。
ハプニングからのスタートでしたが、それも海外らしくて良いのかもしれません。
最初は懇親会が開かれます。スポンサーである株式会社LIGさんが最近オープンしたレストラン「MOTOKEYS」のシェフによるおいしいご飯が振る舞われ、日本クオリティのご飯にみなさん大満足の表情!段々緊張がほぐれていきました。
おいしいご飯でお腹を満たし、参加者間で交流をした後、本格的にSWTが始まります。オーガナイザーの方からの挨拶後、早速「1分間ピッチ」に入ります。
この「1分間ピッチ」が、各自持ち寄ったビジネスアイデアを参加者全員の前で発表する場になります。ピッチで発表するかは任意ですが、今回は45名の参加者のうち、29名もの方が自身のアイデアを発表していました。
その後、参加者の方が気に入ったアイデアに投票し、投票数上位のアイデアを選出した上で、アイデア発案者であるリーダーがチームを作っていきます。今回はピッチを経て9つのアイデアが選出されました。
チームは、マネジメントとビジネスモデルを検証する「ハスラー」、機能の開発を行う「ハッカー」、そして検証結果を元にUXデザインを担当する「デザイナー」の3ポジションで構成されます。
弊社フランジアのインターン牛嶋のアイデア「中級者になるためのプログラミング教育」は投票数が一番多く、アイデアとして残ることが出来ました。
チームを作成したら、各チーム早速ビジネスプランへの落とし込み、プロトタイプ作りを始めます。
眠れない(らない)夜がスタートします。
街に出てのヒアリング・豪華コーチからのコーチング、今夜はもちろん眠らない!SWT2日目
2日目は朝からチーム毎に活動していきます。
自分たちのアイデアに対するニーズがフィリピンにあるのかどうか?自分たちの思っていることが現地の人に通じるのか?ということを確認しに街へと市場調査に出かけるチーム、どういったビジネスプランにするか討論し実際に開発を進めるチーム、メンバーの半分は街へ出て半分は会場に残るチームなど、各チームによって動き方が異なりました。
この日の午後には、現地に住んでいる起業家や専門家によるコーチングの時間が2時間ほどあります。
実際にセブ島に住んでいるからこそわかる現地に根付いた視点や、専門的な部分でのアドバイスを、コーチ1人につき20分間聞くことが出来ます。20分 × 5回のコーチングタイムがあり、各チームコーチングをお願いしたいコーチを上限3人まで事前に指定します。
弊社フランジアのマネージャー西出も今回コーチとして参加させてもらい、各チームにアドバイスをしました。なんと20分 × 5回のコーチングタイムにフルで指名が入るという人気ぶり。。
ここから少しだけフランジアにフォーカスします。
実際に西出にコーチングをお願いした参加者の方に、どうして彼を選んだのか / コーチングを受けてみての所感を伺いました。
「グローバルIT企業のマネージャーとして、日本とセブをつなぐITの部分でアドバイスなどをいただけるのではないかと思ったためです。
『コアバリューを一言で表現できること。』その一言がとても印象的で、自分たちのバリューが何なのかを改めて考えるきっかけとなったことを鮮明に覚えています。そこから見えたもの、動くべき活動がクリアになって前に進めることができました。」
「プログラミングの教育事業をセブで実際にやっていることから、自分たちのアイデアとフィットしていました。またするどいツッコミを貰えそうという確信があったためです。
『ターゲットユーザーはサービスを作りたい人なのか、プログラミングのスキルアップをしたい人なのか』『このサービスを使うことで誰がどう幸せになるのか?』といったプロダクトの根本として考えなければならない部分を指摘いただき、自分たちの方向性を固める非常に良いきっかけとなりました。」
西出自身も「非常に楽しんでコーチングをすることが出来た!」と言っていたので、双方にとって有意義な時間になったのではないかと思います。
他のコーチの方々も語学学校やゲームアプリ開発会社をセブで設立した有名起業家であり、各チーム非常に濃いアドバイスをいただけた2時間だったと思います。
コーチングタイム終了後は、なんと、コーチの方々にオーガナイザーの方たちからプレゼントのサプライズが。
中身は「てぬぐい」!セブに住んでいるとなかなか手に入るものではないので、みなさん大変喜んでいました。日本らしいチョイスにほっこり。
ここからはまたもくもくと作業が再開します。次の日の17時にはもう発表。時間は着実に迫っています。
後日聞いたところ、多くのチームがこの日は「眠らない夜」になったとのことでした。
最後まで「No Talk, All Action」、やっぱり眠らないSWT3日目
ついに最終日である3日目になりました。発表は17時から始まります。それまでは各チームひたすら作業が続きます。一体どんなスタートアップが生まれるのでしょうか。
いざ時間が近づくと、各チームが次々と会場へ戻ってきました。直前まで街に出ていたり、発表の準備をしていたりと時間を最大限に有効活用しています。時間になるとピッチの投票で残った9つのアイデアの発表が順番に始まります。
制限時間は5分間。時間を超したらその場で発表終了となるため、時間配分も重要になってきます。
各チーム洗練されたアイデアを発表していく中で、プロトタイプはもちろん、動画を入れてのプレゼンテーションなど様々な工夫が見られました。たった5分間、されど5分間。このプレゼンテーションで、いかに自分たちのサービスの魅力を聞き手に伝えられるかが重要になってきます。
プレゼンテーション後は審査員からの質疑応答があります。審査員の方々は、4度の起業経験からスタートアップをサポートしていたり、中東で一番有名な日本人と言われているような豪華メンバーが集結しました。
参加者のみなさんは発表が終わった瞬間、短いようで長い3日間に一旦区切りがついたことから、安堵の表情を浮かべていました。
全チームの発表が終わり、少しの休憩を挟んで審査発表に移ります。
どのチームも魅力的なアイデアばかりで、休憩時間には「やりきったね〜!」「あの時の言い方変えれば良かったな〜。」「どこが入賞すると思う?」といったような声が色々なところから聞こえてきました。
結果:
第1位「Smile Art」日本でよく見る似顔絵体験をセブに提供するサービス
第2位「BOB」旅の時に必要な洋服を現地で調達できるサービス
第3位「SHISHO」中級者になるためのプログラミング教育サービス
弊社フランジアのインターン牛嶋のアイデアは見事3位に入賞しました、おめでとう!!
ただ、本人は相当悔しがっていて、帰宅後は同居人がひたすら慰めていたという話を聞きました。
大学生ながらにして多くのビジネスコンテストやハッカソンといったイベントに出た経験がある彼ですが、セブ島でひと味違った悔しさを味わった分、今回のSWTから得たものは大きかったのではないでしょうか。この悔しさをバネにさらに大きくなるであろう牛嶋に期待!
審査発表後は3日間の締めとしてパーティーが開かれます。
3日間一緒に頑張ったチームメンバーはもちろん、参加者・コーチ・審査員・オーガナイザーという枠を超えてみなさん交流します。
1時間半のパーティーの中では、これから実際に起業したいと思っているチームが、審査員の方などにアドバイスを聞きに行ったりする場面も見られました。最後の最後までみなさんの熱い想いを見ることができたSWTでした!
疲れも溜まっているであろう今夜は2日間分ぐっすり眠るのかと思いきや、「思い出づくりに今から遊びに行ってきます!!」と元気よく会場を後にする参加者が多くいました。なんてパワフル。みなさん「眠らない」夜を楽しんだことでしょう…!
SWTが持っている溢れんばかりのパワーを体感したい
SWTにマネージャーがコーチとして参加するという話を聞くまで、イベントの存在を知らなかったわたしにとって、SWTには下記のような疑問がありました。
参加者のほとんどの方が日本から来るということ。どうして週末を犠牲にしてまで海外での起業イベントに参加するの?
54時間でチームとしてのアイデアをまとめ、プロトタイプまで作成すること。そんなにサクサク進むの?
実は前回のセブも、深圳も参加したという方が数名いたこと。海外開催でもそんなにリピートしたくなるイベントなの?
54時間でチームとしてのアイデアをまとめ、プロトタイプまで作成すること。そんなにサクサク進むの?
実は前回のセブも、深圳も参加したという方が数名いたこと。海外開催でもそんなにリピートしたくなるイベントなの?
日本でのSWTに何回も参加したという方がたくさんいたこと。もしかしてこの3日間で圧倒的成長を感じられるがゆえ、リピーターが多いの?
このようなことを思いながら写真を撮る側に徹していたのですが、この3日間を通してこういった疑問は全て解決しました。そして気づいたことは、
Startup Weekend、すごいパワーを持っている。
ということ。こんな簡単な言葉しか出てきませんが、この言葉だけで十分だと思っています。具体的にどんなパワーがすごいの?といった疑問を抱く方がいるかと思いますが、それは実際に参加し、肌で感じるのがいいかもしれません。もちろん見学での一般参加でも構わないと思います。
ただ、実際に参加してみようとなると、若干ハードルが高く感じてしまいますよね。わたしもSWTを見学する前まではそう感じていました。
みなさん何がきっかけで参加しようと思ったのか、少し気になる方もいると思うので、過去に数回SWTに参加経験のあるリピーターの方・初めての方と、様々なステータスの方に参加理由を伺ったところ、
「3日間厳しいけど、普段味わえない環境や考えを絞り出す感覚がたまらなく良かったので、今回もそれを求めてきた。」
「知らないことばかりだから勉強したかった、経験したことないことにチャレンジしてみたいと思ったから。」
「純粋に興味深く、参加することで何か得られると思ったから。」
「0→1をリアルに創造できる貴重な場だから。」
とのお答えをいただきました。
もちろん明確な目的を持っている方も多くいますが、みなさんに共通しているのは、「行動してみよう」という気持ちがあること。
いまはパッとアイデアが浮かばないけれど何かを変えてみたい・してみたい、という気持ちがあればそれだけで十分理由になると思いました。
No Talk, All Action、とにかく行動してみるのが一番。そこからどんな学びを得られるかは自分にかかっています。
編集後記
SWT終了後、自分自身も一参加者として、できれば自分が働いているセブで実際の雰囲気を体感したいと強く思うようになりました。
去年・今年と開催されたので、きっと来年も開催されると信じています。完全に願望状態ですが、今から待ち遠しいです!次回は参加者としての立場からレポート出来たらと思っているため、タイトルはあえて第一弾にしています。
来年、セブ島でお会いしましょう!
SWTを終えて記事を執筆するにあたり、アンケートに答えてくださったファシリテーター・参加者・審査員の方々、写真を提供してくださったオーガナイザーの方など、ご協力頂き本当にありがとうございました!